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バイクをスタンドで立たせて、ビルの玄関ドアを固く護る警察官二人に近寄る。
もちろん、俺の顔は此処らではかなり有名だから下を向いて静かに近寄るけど、そこまで。
背後に警棒を構えた女が三人。
でも、周りをよく見る事が肝心要ってな。
女の後ろには、黒髪青眼の男が楽しそうにべレッタ8045クーガーを構えて俺の左脇腹ギリギリに銃弾を撃ち放った。
「イッエーイ☆」
っていうか危ないだろうが、阿呆!!!
俺の背後に立っていた女警官が、俺から離れていく。
すると、今後はドアを固く護っていた男警官が俺の背後にいる男へ職務質問か何かを始めている。
その隙に俺は、ドアをすり抜け警察庁へ入る。
一階ロビーに入ると、警視総監殿である願望=スウキが俺を待ちわびていた。
「話をしたい。時間があるならば、付いて来るがいい」
無論、ついて行きますよ。
でも、後ろにいる奴がこそこそついて来る可能性があるけど。
のんびりと俺はスウキの後を楽しくついて行き、連れて来られた部屋は小さな電球が壁に1メートル間隔で取り付けられている薄暗い部屋。
そこへ俺はスウキに思い切り強く背を押された。
「っと、何してんだよテメェッ!!!!」
「貴方は、我が国家ケーストルアが、東の国ユートラルを攻め様としているとでも思っているつもりであろうか?」
「そう言われて此処に来たんだっつの」
俺は、床にドカッと座る。
この部屋には、椅子どころか机すらねぇ。
その代わりに、壁には血の跳ね返った跡が無数にある。
ここは、死刑場か何かなのか。
そうだったのか。
俺は首をあらゆる角度に向けていると、誰かが躓いた音がした。
「誰だ」
スウキは、音のした方へ歩み寄る。そこには、誰もいない。
「話を戻すが、ケーストルア・・いや、私はユートラル国の国土を欲している事は事実だ。しかし、攻め入るつもりは毛頭ない。盟誓=シェル警視総監殿は、若いがとても有望であり私の様な老いぼれが勝てるとは言えぬ。それゆえに、極秘捜査官を向かわせ、どうすれば親密な関係を締結する事が出来るかと・・・考えておる」
という事は、ケーストルアとユートラルで考えが一方通行だったから、俺は面倒くさい事に巻き込まれたっていう、くっだらない一日を過ごす羽目になりそうなのか!!!?
「それで俺はアンタのために何かすればいーんだろ?」
「さすが、世界中央国セントラルの裏社会の頂点に君臨する者であるな貴方は」
それは言われると痒いっつーか何か響き的にジジくさっ!!!!!
「それは置いとこう・・・俺の事は関係してねェし」
「左様か。では、東の国ユートラルの警視総監である盟誓=シェル殿に伝えて頂きたい事があるが、全てはこの封筒に書いてあ――――・・」
スウキの手に握られていた封筒が一瞬にして消え、闇に浮かんでいる。
いや、暗闇に浮かぶ青い二つの眼が楽しそうにしている。
ああもう・・・・。
「スウキ、テメェ、オレに何も言わねーのは嫌がらせか!!!?」
暗闇の中から姿を現したのは、掩蓋=ロキ。
どっかの国に昔から伝説として伝えられている神様の一人の名前を貰っているコイツは、その神同様に悪戯が好きな奴であり、俺の実父。
「貴様に頼むよりも、近々この辺りに来ると極秘伝令されていた貴様の息子である推古=レキ殿の方が仕事を的確にこなしてくれるであろう」
俺・・・そんな有能じゃないんだけど。
「でも、その手紙の内容を無き物にしようとする奴等が来るはずじゃねーの?」
「ああ。奴等の命を抹消して頂きたい。それが私が貴方に託す仕事だ」
俺はロキの手から封筒を奪い取り、部屋に残る二人あっかんべーをして部屋を出て行く。


「貴様は、裏ルートで先にユートラル国へ参られよ」
「あーん?」
「レキ殿と旅をしている仁義=リョク殿を護れ」
「ほいほい。じゃー、まったなー☆」


俺は警察庁ビル前に止めていたバイクに跨りエンジンを吹かしユートラル国へ急ぐ。
それをロキのバイクが猛烈な速さで通り越した。
「アレ・・いいなあ・・」
ボソッと呟いた俺は、背後に迫り来るガラの悪そうな奴等の姿を見て溜息をつきつつも、ユートラル国へ急いだ。
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レキっていう説教野郎がいないお陰でオレは、楽しく観光中。
でも何か胸騒ぎがすんだよなあ・・・。
何でだろ?
「レキ様、レキ様」
「何かあったか?ティーラ」
ティーラは、神道=リライトとかいうあの金髪碧眼の女の部下で、無燈=ティーラという16歳の女の子だ。
オレなんかと違って、小さくて可愛いものが好きで・・・女の子の例えにされそうな奴。
「そちらの方は誰でしょう?」
あ゛?
オレは、ティーラの指差す方を見た。
そこには、黒髪で深い海の色の瞳の男が息を上げて手を膝についてやがる。
何だコイツ。
どっかの誰かに雰囲気が似過ぎだろ。
男は、深呼吸をしてティーラへ態度のデカイ様で
「盟誓=シェルを即刻東ゲートへ向かわせろ!!!!」
と叫んだ。
ティーラは、一瞬戸惑ったけど元気よく返事をして警察庁へ走って行った。
黒髪青眼の男に観光を邪魔されて不機嫌モードに入りつつあったオレに、男は
「仁義=リョク!!貴様は、俺と警察庁最上階客室へ来いっ!!!」
と言い、自分のバイクにオレを簡単に乗せそのままオレを拉致した。
・・・・・・・・・って、呑気に説明してる場合じゃねえええっ!!!!
「止めろ――――――――――!!!!」
「あ、それ無理」
ふぐぅ・・・ますます誰かに似過ぎだ・・コイツ。

警察庁最上階客室に連れられたオレは、偉そうにソファに座る男へ
「アンタ、誰だよ」
と言う。そしたら、男は
「俺?ああ、ロキ」
ロキだと~?
フザケタ名前が本名なのは、ある意味侘しいもんだな。
ってな目でオレはロキとかいう名前の男を見たら
「リョク。これから話す事に驚くなよ」
「あ、ああ」
何を話すつもりなんだ、コイツ。
ロキは座っていたソファから離れ、窓に近づいた。
「現在、世界中央国セントラル国裏社会の頂点に君臨する者の別名を、殺し屋ヴォルフという。そして、そのヴォルフの四代目の名は推古=レキ」
オレは、一瞬にして何もかもを忘れたかの様に呆然とロキを見た。
「俺は、掩蓋=ロキ。レキの実の父親だ」
掩蓋・・・・ロキ・・・。
コイツが・・・・?
レキの父親・・・・・?
オレは思考回路を失いその場に座り込んだ。
すると、ロキはオレの前にしゃがみ、
「殺し屋だけど、ヴォルフは良心的だよ?でも、頼まれた仕事は的確にするけど、もし・・・・その仕事に護りたい人が関わってしまえば、話は別にならない?キミは、レキがキレたのを見たことはあるよね?」
オレは、首を縦に振る。
「なら分かるはずだよ、今回もキミ・・・哀=サラが関わっているんだ・・ほんの少しだけ。レキは知らないけど、俺は殺し屋ヴォルフ三代目だし、一応現在の裏社会の頂点に代理で君臨してるから。まあ、武装もしてるから大丈夫そうだけど、俺も頼まれた仕事を遂行しないとならないからね」
ロキは、見た目とは思いつかない程に、スラスラと言葉を述べてオレにニッコリと微笑んだ。
それを見て、オレは唐突に歌を詠いたくなった。
まるでそう・・・レキの無事を祈る様に―
全く人気のない、ユートラル国東ゲートへ滑り込む様にして俺はバイクから降り、空から応援に来たシェルが俺の隣に舞い降りた。
「結構いんじゃねーかあ?」
「ああ、全て殺す・・・」
「了解」
俺は静かに腰に吊るしたホルスターにある二二口径自動式銃「雪の人」を抜き、シェルは魔剣「ラグナロク」を手に収めた。
そこへセナとエナがバタバタと走ってきて、声を揃えて
『GAME START!!!』
と言った。
その掛け声で、俺と俺を狙うケーストルア国の奴等が動く。
真っ直ぐに走る俺は、左右にいる奴等の頭・心臓を一撃で突き、一番強そうな男の前で足を止めた。
そいつは、真っ赤な特攻服を見に纏っている。
その右肩には、「ケーストルア国国防連合軍警察庁極秘特攻隊長官」と書かれている。
俺が、男をじっと見ている間後方では魔剣「ラグナロク」で人間を真っ二つにしているシェルが不気味に笑い、死神一級士のエナは大鎌を振り回して人間の首を楽しそうにもぎ取り、情報一級師のセナは的確に手榴弾を投げて応戦していた。
そして俺は、目前にいる男が呟いている言葉を聞いた。
「スウキ様・・・あのお方はもうダメだ・・オレが・・・・・・オレが・・・・」
「聞こえねェんだよ!!!!テメェの声は!!!」
そう言って俺は、リョクの荷物から拝借した名刀「業火」を魔剣として発動させる。
「目覚めろ焔 我が名は血涙」
魔剣を使うのは、これが始めてじゃない。
だから、使えるはず・・・だから答えろ「業火」!!!!
オレの投げかけに「業火」は静かに語りかける。
[血涙。どうして貴方なのですか?]
「お前が必要だから」
[そういう言葉は所有者に言って下さい]
「・・・・ばっ!!!!   誰が言うか!!!!!」
[それはともかくとして、最善を尽くしますが、私は貴方に力を譲渡する事が出来ません。宜しいですか?]
「・・・・分かった。それでも相棒ヨロシク」
[分かりました]
俺は「業火」を力強く構え直し、長官殿へ迫る。
長官は、隠し持っていた短刀で俺へ向かって来た。
それを素早く避けて、奴の左手首を削ぎ落とした。
「ぐぅっ!!!」
動き一つ一つが遅いこの男は、俺のリズミカルなテンポについて来れないらしい。
剣を構えて男を細くする鋭い眼で見ていると、背後から迫り来る気配い気づき、「雪の人」の引き金を左手で上手く引き、背後の奴の眉間へ銃弾を放ち、「業火」の切先を後ろへ向け、心臓の辺りを抉る様に掻き混ぜた。
「俺の命狙うなんざ早ェんだよ!!」
声一つ上げずに命を落とした馬鹿な奴は地面に専決を染み渡らせている。
「推古=レキ・・・手紙・・・奪う・・奪う・・オレ・・・生きる・・お前・・・殺す」
ったくウゼェ。
男はオレの喉元へ向け、ケタケタと笑う。
「殺せるもんなら殺してみろよ。まあ、一生無理だろうけどなあ?」
男は、笑うのを止め担当をオレの左脇腹へ向け飛ばした。
でもそこに俺はいない。
男の右側に立ち「業火」を背へ突き刺し、呻き声を上げる男からテンポよく離れ「雪の人」の銃弾を両手足・腹へ数銃弾放ち、背に刺してある「業火」を抜くと男は仰向けになって地へ倒れた。
それでもまだ抵抗する力があるらしく、起き上がろうとする男の腹を俺は踏みつける。
「がはっ・・!!」
男は、俺を見上げてくる。
「俺に命乞いは無意味じゃねーの?」
「・・・や・・・・め・・・」
細い眼で見下ろされるのが精神的にも肉体的にも苦痛らしい男は、か細い声を喉から絞り出す。
「じゃあ、目抉るとか、舌取り除くか・・・・鼻削ぎ落とすか・・・あ、でもやっぱ解体するしかねェよな。長官殿?」
俺は眼を最大限に開き、ニタリと笑い、「雪の人」をホルスターへ収め、「業火」を構え地面に倒れている男の右腕を四肢から切り離した。
「!!!!!!!!!!!?」
声にならない声を上げるが、剣の切先は左足へ向かう。
ハアハアと息を上げる男を俺はじっと見て
「アンタ必要ない。邪魔だ」
言葉を吐き捨て、男の身体を斜めに裂いた。男は、鮮血を俺へ浴びせ死に絶えた。
すると背後にいたシェルと双子も全員を殺し終えたらしく、声を揃えて
『GAME END!!!』
と叫んだ。
「行くぞ!!」
鮮血を浴びて美しい華を咲かせている漆黒の服を身に纏う俺も叫ぶ。
『何処へ?」
三人はまた声を揃えた。
「シェルはコレを持って軍へ。セナはシェルの援護。エナ、お前は俺について来い」
俺はシェルにケーストルア国国防連合軍警察庁警視総監である願望=スウキからの封筒を手渡した。
『了解!!』
シェルとセナが軍へ走るのを見届けて、俺はバイクに跨り、エナを後ろに乗せ、ユートラル国で二番目に広い広場へ爆走する。

広場には、金髪碧眼の一人の女と、そいつを囲む五十程の人間の姿を確認した俺はバイクを勢いよく止め、エナは空中で一回転して着地した。
「まさかとは思ってたけど、アンタが黒幕ってわけかぁ?」
「生意気な少年という本性なのを隠すのも大変でしょうね」
女は、クスリと笑っている。
俺は、バイクから降りエナの隣に立つ。
「そうでもねェよ。んな事より、アンタにアイツは殺させねんだよ」
「その前に貴方の命を頂きますから無理ですよ。推古=レキ、ヴォルフ四代目?」
下らねぇっ・・・・・・!!
「嘗めてんじゃねーぞ・・・・ザーク九代目、神道=リライト!!!!!」
俺と長い金髪を風に揺らすリライトの間にバチバチとオーラが音を立てている中で、エナはクスリと笑いながら人間の殺す順番を決めかねている。

「お久しぶりです。我が心に決めた愛しき人」
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