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研=デル達に別れを告げて、車とバイクで道を直進していると、大きなゲートのある小さな国に着いた。
というか、ゲートがある国に訪れるのはかなり久しぶりな気も・・・。
「旅の方ディスか?」
「あ、はい」
ゲート脇にある長方形の箱の様な造りをしている家から出てきたのは、仕事着である警察官の制服をビシッと決めている一人の男。
「参加される方ディスか?」
「何に、だ」
運転席から降りてきた破=メツが、男に聞く。
「ゲームディス」
「どうすんだ?」
メツは、エンジンを切らずにバイクに跨っている僕を見た。
僕は、腕組みをして首を右に傾けて数分間悩む。
結論は、
「えと、参加します」
「了解ディス。どうぞディス」
するとゲートが耳に残る音を立てながら重く開いた。
「ここは、参加型小国ゲーム国ディス。今より二時間後CASTLE of GAMEへ集まって下さいディス。では、御無運をお祈りするディス」
警察官の人の言葉が終わると、ゲートはまた音を立てながら閉まった。
参加型小国ゲーム国は、噂に着ていた通り、とても活気があって人も多かった。
「今からぁ~、二時間後ぉってぇ、四時じゃぁん。それまでにぃ~・・いやぁん」
呪=ソウは、何とも微妙な喋り方で僕達に何かを言おうとしていたみたいだけど、そんな彼女を厭らしい目付きで見ている輩から、彼女を隠すために、リョクに掴まってバイクに乗っていたのを降ろし、車の後部座席へ座るように言っている。
「レキ、お前一人で四人全員泊まれる所探しといてくれ。俺は・・・いや、俺達は買う物を買ってくるから」
一人でやれと?
そんな面倒極まりない事を?
でも下手に逆らうと何を言われるか定かじゃないから、僕は大人しく言われた通りにする。
「分かった。じゃあ、リョクはソウの護衛にでもついてあげて」
「・・・・りょーかい」
若干嫌そうなリョクの背を押した僕は、バイクを押して歩き始めた。
その直後、さっきまでソウを厭らしい目付きで傍観していた野郎三人組に僕は囲まれた。
はあ・・・。
思わず溜息が出るよ・・本当に。
「イー宿教えてやろっか?」
あ、それはかなり助かるよ。
でもね、現実ってそんな容易じゃないんだよ。
「嬉しいっ!!」
偽の笑顔を作って、胸の前で両手を合掌してみせると、何を思ったのか彼等に隙が出来た。
その一瞬を逃さないために、両側に立っている男二人の鳩尾へストレートのパンチを入れた。
彼等が仰向けになったのを確認して、前に立っていたはずの男を見た。
そいつは、全身をガタガタと震わせて地面に座っている。
「人を見かけで判断すると命縮めるよ。というか、キミ等弱いねー。あ、そうだ・・すごく良い宿教えてくれるんだっけ?」
「あああ・・・」
男は座ったまま僕から逃れようとしている。
でもその行動を許さない僕は、上着の内ポケットから素早く短刀「血塊」を取り出して、地面で座っている男の顔面寸前で刃の切先を止めた。
「生きてるなら、出来る事しませんか?それとも僕の手によって死にますか?」
ニッコリと笑う僕が怖かったのか、男はガタガタと肩を振るわせながら立ち上がり仲間をその場に放って、僕をとても綺麗な宿屋へ連れて行ってくれた。
そこに偶然買い物を終えた三人が僕の姿を見つけ、こっちへ向かって来た。
「お前・・・」
「おどしぃ~ん?」
「宿っつーか、ホテルじゃねえ!!!!?しかもスゲー、キレーじゃんかよ!!」
思い思い好き勝手な事を言った三人はホテルへ進んでいく。
僕は、大分落ち着きを取り戻した男に
「ありがとう」
「・・・名前教えてくれ。アンタ、強かったから・・覚えときたい」
どうしよう・・本名言って良いのかな・・っていうか本名しかないけど。
「僕は推古=レキ。ホテル教えてくれてありがとう!」
僕は、先を歩いている三人の元へ急いだ。


「推古=レキって・・・有名人なんじゃ・・・」


ホテルへ入った僕達は、二人ずつに分かれて部屋に入った。
僕は無論リョクと。

―2時間後
僕達4人はホテルから出て、徒歩でCASTLE of GAMEへ向かう。
そこにはゲームに参加するであろう人達が集まっていた。
その中には、強そうな剣士や魔術師が自分の武器を磨いている。
まさかとは思うけど、この参加型ゲームって・・バトルか何かなのかな。
うわあ・・・・やっかいなものに参加しちゃったなあ。
「選手の皆サン、近くにいる人と二人組になってジャンケンをして下サイ」
僕はリョクとジャンケンを、メツはソウとジャンケンをして、リョクとソウが勝った。
「勝った人は来て下サイ」
係の人について行く二人を見送って、ジャンケンに負けた僕達はボケーッと城へ入るための入り口前で寛いでいた。
そこへゲートの所にいた、あの男がやって来た。
「あ、負けたディスか?えーと・・推古=レキ様」
「何で僕の名前・・・」
「アナタは有名ディスよ。でも、このゲームはジャンケンに勝ったものだけが参加出来る生と死を掛けたゲームなのディスよ」
男の言葉を聞いた僕とソウは、はっとしてジャンケンに勝った者が進んで行った城の入り口を見た。
すると男は、
「本当は違法ディスけど、行くディスか?」
と言った。
「無論」
「当たり前ってゆ~かぁ」
僕とソウは小さく頷いた。
「では、ワタシが叫ぶのと同時に城へ護るために設置されているゲートを破壊して走って下さいディス」
頷いた僕を見て、男は
「違法者ディス!!!!!!!!捕まえるディス―――――!!!!!!」
大声で男が叫ぶと同時に、ソウが攻撃詞を謳って城を護るゲートを破壊して追いかけてくる奴等を僕が牽制しながら走って行く。
そんな僕達を追うのは、ジャンケンに負けた者ではなくこの国の人間。
つまり、あの男の仲間。
急いで走る僕達は、いつしか後ろなど気にせず前だけを見据えて走っていた。

「お気をつけて・・・・ディス」

そんな声が聞こえた気がした。
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「リョク左から二人だ!!!」
「・・・くっ」
何なんだよ、このゲーム。オレ達が連れて来られた場所は、処刑場。
あのジャンケンで勝った奴等全員は、あらかじめ用意されていた犯罪人と命を賭けて勝負するっていう馬鹿げた国民の娯楽だった。
それに付き合わされて、生き残っているゲーム参加者はもうオレとメツだけ。他の奴等が弱すぎっつーか・・・・・。
「リョク後ろだ!!!!」
「え?」
オレは、後ろからの攻撃に気づかなかった。死ぬ?
マジでそう思った。でもオレの背には誰かの背があった。
「死ね、下種野郎」
聞き覚えのある声にオレは安堵した。
「ボサッとしないで逃げる準備でもして!!!!!馬鹿リョク!!」
「お、おう・・・って誰が馬鹿だとー!!!!!」
オレの後ろに立っているのは、城を囲んでいたゲートでジャンケンの勝負に負けたレキ。
「馬鹿はお前だリョク・・・・・・っとソウ動くんじゃねえ!!!」
「そぉゆぅメツが怪我してるからぁ~、アタシがぁ来てあげたんだしぃ~」
ああ、こんな場所でそんな微妙ないい雰囲気を醸し出すな。どう反応したらいいのか分からないだろうが!!
とオレが思っていると、どうやらレキも同じ事を思っていたらしく表情には出さないように、腰に吊るしたホルスターから二二口径自動式銃「雪の人」を素早く取り出してオレから離れ、寄って来る犯罪人の足元だけを狙い銃弾を撃ち放つ。どうやったら、あんな事が出来るのかオレには多分一生理解不能なんだろうなあ・・・・。
「ソウ、動ける!!?」
まだまだ出て来る犯罪人を一人で相手にしているレキは、メツの怪我を治してるソウへ言葉を投げる。
「大丈夫だと思うわけぇ」
てか、オレにはそういう言葉くれないのか・・・・レキ。
「リョク!!」
お?
「キミは二人を連れて先にこの国のゲートへ行って!!」
「お前はどうすんだよ!!!」
「僕は、後から行く!!だから早く!!!!」
依然として犯罪人の相手をしているレキを見続けるオレの腕をソウが引っ張った。
「だぁいじょぅぶだってぇ」
そしてオレは、名刀「業火」を鞘にしまいソウとゲートへ急いだ。

リョクとソウを何故か見送っているメツは、僕へ
「一人で無理だろうが」
少し怒り気味に言う。でも僕は、
「キミは何でまだそこにいるの?」
「お前一人じゃ無理だからって言ってんだろうが!!!」
何をそんなにいきがってるの? キミは。
「いつ誰が一人だと言ったの?ちゃんと周りを見たら?」
「・・・なんっ!!!」
僕が静かにそう言った即座、僕の左右両脇を女の子が固めた。
「そいつ等誰だよ!!」
メツは僕の両脇に立つ二人の女の子を交互に見てる。
「ねえ、四代目この人誰~?」
「あ、四代目とか禁句なのにー」
四代目。
それは昔の僕が多くの人から呼ばれていた呼び名。そんな頃の僕を知ってるこの二人は、昔の知り合い。
「知り合いじゃないのかな?だから、行っていいよメツ。僕は大丈夫」
「そうか・・・じゃあゲートで待っといてやる」
メツの走り出す音をしっかり聞いた僕は深呼吸をして、
「セナは僕の後ろを牽制。エナは僕のバイクを取って来て」
『了解』
二人は僕に言われた通り行動を開始させた。この二人は、僕の昔の知り合いでいて、この国の住人。それでいてこのゲームの首謀者だったらしい。
そして数秒後、バイクを取って来いと僕に命令されたエナという女の子が僕のバイクを軽々と右腕一本で持ち上げて走ってきた。
長い間見ていなかったけど、その特技はいつ見ても気味が悪いね・・・。
エナは、怪力。それも家一つ壊してしまうくらいの。
「四代目~、バイクヤバかったけど何とか死守~」
ヤバイって何!!!!
「ありがと。セナ、エナ、僕はこのまま逃げるけど後の処理任せるよ」
『了解』
僕は、エナが持ってきたバイクに跨りゴーグルを装着して処刑場を後にした。

「久しぶりの四代目からの命令楽しもうよ~エナ~」
「悠長な事言ってる暇あるなら手伝ってセナー」

処刑場を任せた僕は、この参加型小国ゲーム国を取り囲むゲートへバイクを飛ばす。途中、この国の警察官に止められそうになったけど無視して何事も無い様にバイクを飛ばした。そしてゲートに着いた僕は愕然とした。
ゲートは重く扉を閉めていた。急ブレーキでバイクをゲートギリギリに止めた。そのゲートの向こう側からはリョクの声が聞こえる。
ああ、本当にもう僕ってツいてない。でもそんな僕は何かが壊れる音が聞こえた。それと同時にゲートの向こう側から赤い炎が見た。
あ、そうか。向こう側で僕を待ってくれている三人がゲートを壊そうとしてくれてるみたい。僕は、あの三人と違って能力を持っていないから何も出来ないから。そしてゲートへの最後の攻撃はメツのヴァイオリン攻撃らしい。まさかメツって吟遊師の能力がかなり高い者のみが出来るって言われる現世でも能力を発揮出来る人なのかもしれない。でないと、今からゲートを壊そうなんて真似出来ないだろうし。
『最終楽章 呻きの悪魔』
メツの声が聞こえた次の瞬間ゲートが勢いよく風に飛ばされたのは良かったけど、僕もバイクごとゲートの外側へ飛ばされた。
「うわあああああああああっ!!!!!!」
やりすぎだよ、キミ等。
「・・・・・っぁ・・」
バイクのハンドルを握っていた手を離した僕は地面に叩きつけられた。
そして空中へ飛ばされたゲートは元々あった場所に戻った。
「大丈夫か、レキ」
「まあ・・ね」
ヴァイオリンを自分のフィールド内へ戻したメツが僕の手を取って立ち上がらせてくれた。
「俺たちは、これからイース国へ行こうと思う」
「だからぁ、ここでお別れぇ」
そう言ってメツは、車の運転席へ入った。ソウは助手席の窓から顔を出してリョクと何やら話している。
「お前等は、何処へ行くつもりなんだ?」
「コイツで行ける所。かな」
コイツと言って僕は、バイクをコツンッと一度叩いた。
「そうか。あ、そうだお前携帯電話持ってるか?」
この世界には携帯電話がある。その形は様々で、折りたたみ式から天道虫型まである。僕は、小型ノートパソコン型携帯電話を鞄から取り出す。
ノートパソコン型だから常時携帯していられないのが欠点。でも、僕とリョクはコレを愛用してる。
「小型ノートパソコン型か・・・・いいよなソレ」
と言ってメツが自分のを僕に見せてくれる。メツの携帯電話は天道虫型だった。うわあ・・・・絶対キミが買ったんじゃなくて、ソウが買ったって事が分かるよ・・・。
「ソレ・・なんだ」
「ああ。連絡繋げれる様にしときたいんだ」
「そうだね。えっと赤外線付いてる?」
「ああ」
僕とメツは赤外線部分を互いの携帯電話へ向けて携帯電話の連絡専用コードを転送する。
【転送完了】の文字が携帯電話の画面に映った所で、それを元の場所に戻し、メツは車のエンジンを掛けた。
「ソウ、そろそろ行くぞ」
「りょぉかぁぃ。じゃぁまた連絡するからぁ~リョクゥ」
「おう」
そして、メツが僕の腕を引っ張って
「な、何?」
小さな声で言う。
「次の国はある意味面白いから、久しぶりに楽しめ」
「うん」
「じゃあな、二人共」
「またねぇ~ん」
メツの運転する車は猛烈な速さで走り去った。
「僕等も行こう」
「了解」
ゴーグルを装着してバイクのエンジン掛け、僕は右側でバイクのハンドルを握っているリョクに
「ソウと何話してたの?」
と聞いた。
「何でもねえよ」
「・・・怪しいよね、リョクって」
「ああっ!!!!!?」
「バーカ」
僕はハンドルから手を離して僕を殴りに掛かろうとするリョクから素早く逃げるためにバイクを前へ走らせた。
「逃げんなあああああああっ!!!」
「逃げてないって、阿呆リョク」
次の国に辿り着くまでにリョク、キミは僕に追いつける?

「速度落としやがれえええええええええええええっ!!!!!!」

ああ、その口調で喋るとキミの格が落ちるよ・・・・・。一応女の子なんだから。もっとこう・・ソウみたいに・・・・・・いや、あれはあれでキツイものがあるけど・・。もう少し・・・。でも所詮リョクには無理な申し出なんだろうなあ―・・

【夢追い人 第四話 参加小国 End】
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