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バイクを走らせて、そろそろ2時間。
以外に距離があったんだなって、今更だけど思った。 僕は、ケーストルア国のゲートギリギリにバイクを止めて、ゲートの所に立っていたケーストルア国、国防連合軍警察庁巡査長の証をつけた男にゲートを開けて貰い、国へ入った。 そして思った通り、僕は捕えられて国防連合軍警察庁へ連れて行かれる事となった。 ケーストルア国は、セントラル国の南ゲートを護る南の国であって宝石などが産物に上がる。 そんなケーストルア国の頂点に君臨する人間の名前は、願望=スウキ。 彼の部屋へ招待された僕は、黒シャツに黒のズボン、黒のロングコートで黒のブーツを履いた上に、首からバイクのゴーグルをつけている様のために、少々怪しい身なりになっているのかもしれない。 自分では、あんまり分からないけどね。 「名を申せ」 「推古=レキ」 「・・・何」 「何じゃねーよ、推古=レキだっつってんだろーが!!」 僕は、リョクが一緒にいない今回の旅だと気を張り詰めていなくていいから、どうしても素で喋ってしまう。 というわけで一応今回だけ、「俺」と言わせてね☆ 「推古=レキ、貴様は旅をしているのではなかったのか?」 スウキは、イスに座って俺をじっと見つめてくる。 「その途中。で、聞きたい事があるんだ」 「資料室へ行くか?」 「それは勘弁。アンタの口から直接聞きたい事が山ほどあるからんだって」 するとスウキは、眉間にシワを寄せ部屋にいる二人の警察官に俺を捕える様に指示した。 それを見逃さなかった俺は、黒のロングコートの内側に隠していた短刀「血塊」を警察官のいない方向へ投げた。 「何処狙ってんだよ!!」 「バッカじゃねーの!?」 「あんまり、俺の事嘗めてると痛い目ェ見るって♪」 俺はニッと笑う。 そして短刀「血塊」は二人の警察官の背へ突き刺さった。 「なっ・・・」 スウキは、イスから立ち上がり窓から逃れようとしている俺の肩を掴もうとしたけど、俺はそれよりも早く窓を割って外へ落ちた。 ケーストルア国はあまり高いビルが無い。 一番高くても三階程度だ。 その一番高い建物がこの国防連合軍警察庁なら、ユートラル国警視総監殿の様に翼が無くとも怪我せずに着地出来る。 身軽な俺は、石畳の地面に着地して、警察官に没収されていたバイクを奪い取って、ケーストルア国にある知り合いの家へ向かった。 ただ問題なのは、そいつの家が、北よりにあるために今俺がいる場所からだと遠い事が難点だ。 ともかくとして、石畳の通りを爆走する俺に違和感を覚えている国民や怒りを覚えて捕らえ様としている警察官が猛烈に追いかけてくる。 いつもなら言わないけど、今日は心の中で言ってやる。 「首から上を飛ばしてやろっか?」と。 そうこうしているうちに、追いかけていた奴等は消え去り俺は知り合いの家に着いていた。 バイクをスタンドで立たせ、一階建ての小さな家の玄関にある呼び鈴を鳴らすと中から、袖の長さが以上に長い灰色の服を着て黒のズボンを履き、右肩に散弾銃を掛けている四十代半ばくらいの男が、のっそりと俺を出迎えた。 「久しいのぉ。以前逢うたのが二年前だったのがつい先日の様で仕方無いが、何をしに参られたのだ」 と言うこの何処でも寝る事が出来そうな風貌を俺へ向けているこの人は、俺を家へ歓迎してくれた。 家は、外から見るよりも断然広い。 男は、長い袖を俺へ向けて椅子に座るよう指示した。 「話さなくても分かって貰いたいんだけど・・」 「分かっとる。南のケーストルアが東のユートラルに狙われている理由だろうに」 やっぱり分かってるし。 この男は、視察=ガキという名前で、おそらくこの世界で様々な情報を知り尽くしている情報一級師なんだろうと思う。 現に、俺がこの人に情報を聞きに来ているのが良い例。 「人助けなら情報料を取らんが、どうだ」 「俺は自分自身の事で聞きたい情報は別の情報一級師に聞くっつーの。ガキに聞いたら半端ねェ金額にされんの分かってるし」 「左様か。ならば、聞き漏らすなよ」 「了解」 そうしてガキは、慣れた手つきで情報になりそうな書類を机に広げ、映像地図を出して説明し始めた。 南のケーストルア国は、セントラル国を護る四天王国の中で最も国土が小さい国で、その次にユートラル国が小さい。 ケーストルア国、国防連合軍警察庁警視総監である願望=スウキは、ユートラル国も自分の治める国にしてしまえと考えた。 そして願望=スウキは、東の国ユートラル国、国防連合軍警察庁警視総監である盟誓=シェルの命を無きものにしてやろうと考えたが、近々世界一有名と詠われても可笑しくない一人の少年が、ユートラル国へ訪れるという事もあり、少年が国を出てから作戦を実行する事にした。 とか何とかをガキは、スラスラと言い終えて、カップにアイスコーヒーを注いだ。 「ずずっ・・・・付け加えるとするなら・・この事実を知っている者は、ケーストルア国国防連合軍警察庁の人間だけという事くらいだぞ?」 俺は足を組んで椅子をガタガタさせるのを止めて、コーヒーを啜っているガキに 「ガキでもそれが限界だったわけなんだよなあ・・・」 「そうだ」 俺は、「そっか」と言って、立ち上がり俺のカップらしきものに注がれているアイスコーヒーを一気に飲み干してドアを開けた。 「もう行くのか?」 「ああ。今の俺は夢追い人だから―――――・・」 夢追い人だから。 と言おうとした俺の言葉をガキが遮った。 「そう言いつつも、本業でこの国へ来たのであろうに」 「うぐっ・・・。と、とにかく情報サンキュー、ガキ!!!じゃあ、またなっ!!!!」 俺は、半ば強引にガキの家を後にしてバイクに跨り、ケーストルア国、国防連合軍警察庁警視総監殿の待っているだろう場所へ急いだ。 そこは、国防連合軍警察庁ビル。 そこで俺は、俺の本業を警視総監殿へ見せつけるためにセントラル国にいる知り合いに小型ノートパソコン型携帯電話で応援を呼ぶ。 本当は、一人で片付けたい所けど無理っぽいし。 何より怪我しないでユートラル国に帰らないと、誰かさんに怒られる事間違いないからな。 おっと、返事が来た。 『可愛いお前のお願いは断れないからなあ』 ・・。 返事は一人からだけ。 他の奴は忙しいってか!!!? まあ、いいや。 俺はバイクを急ブレーキで国防連合軍警察庁ビル前で止め空を見上げた。 本業開始かな。 PR
バイクをスタンドで立たせて、ビルの玄関ドアを固く護る警察官二人に近寄る。
もちろん、俺の顔は此処らではかなり有名だから下を向いて静かに近寄るけど、そこまで。 背後に警棒を構えた女が三人。 でも、周りをよく見る事が肝心要ってな。 女の後ろには、黒髪青眼の男が楽しそうにべレッタ8045クーガーを構えて俺の左脇腹ギリギリに銃弾を撃ち放った。 「イッエーイ☆」 っていうか危ないだろうが、阿呆!!! 俺の背後に立っていた女警官が、俺から離れていく。 すると、今後はドアを固く護っていた男警官が俺の背後にいる男へ職務質問か何かを始めている。 その隙に俺は、ドアをすり抜け警察庁へ入る。 一階ロビーに入ると、警視総監殿である願望=スウキが俺を待ちわびていた。 「話をしたい。時間があるならば、付いて来るがいい」 無論、ついて行きますよ。 でも、後ろにいる奴がこそこそついて来る可能性があるけど。 のんびりと俺はスウキの後を楽しくついて行き、連れて来られた部屋は小さな電球が壁に1メートル間隔で取り付けられている薄暗い部屋。 そこへ俺はスウキに思い切り強く背を押された。 「っと、何してんだよテメェッ!!!!」 「貴方は、我が国家ケーストルアが、東の国ユートラルを攻め様としているとでも思っているつもりであろうか?」 「そう言われて此処に来たんだっつの」 俺は、床にドカッと座る。 この部屋には、椅子どころか机すらねぇ。 その代わりに、壁には血の跳ね返った跡が無数にある。 ここは、死刑場か何かなのか。 そうだったのか。 俺は首をあらゆる角度に向けていると、誰かが躓いた音がした。 「誰だ」 スウキは、音のした方へ歩み寄る。そこには、誰もいない。 「話を戻すが、ケーストルア・・いや、私はユートラル国の国土を欲している事は事実だ。しかし、攻め入るつもりは毛頭ない。盟誓=シェル警視総監殿は、若いがとても有望であり私の様な老いぼれが勝てるとは言えぬ。それゆえに、極秘捜査官を向かわせ、どうすれば親密な関係を締結する事が出来るかと・・・考えておる」 という事は、ケーストルアとユートラルで考えが一方通行だったから、俺は面倒くさい事に巻き込まれたっていう、くっだらない一日を過ごす羽目になりそうなのか!!!? 「それで俺はアンタのために何かすればいーんだろ?」 「さすが、世界中央国セントラルの裏社会の頂点に君臨する者であるな貴方は」 それは言われると痒いっつーか何か響き的にジジくさっ!!!!! 「それは置いとこう・・・俺の事は関係してねェし」 「左様か。では、東の国ユートラルの警視総監である盟誓=シェル殿に伝えて頂きたい事があるが、全てはこの封筒に書いてあ――――・・」 スウキの手に握られていた封筒が一瞬にして消え、闇に浮かんでいる。 いや、暗闇に浮かぶ青い二つの眼が楽しそうにしている。 ああもう・・・・。 「スウキ、テメェ、オレに何も言わねーのは嫌がらせか!!!?」 暗闇の中から姿を現したのは、掩蓋=ロキ。 どっかの国に昔から伝説として伝えられている神様の一人の名前を貰っているコイツは、その神同様に悪戯が好きな奴であり、俺の実父。 「貴様に頼むよりも、近々この辺りに来ると極秘伝令されていた貴様の息子である推古=レキ殿の方が仕事を的確にこなしてくれるであろう」 俺・・・そんな有能じゃないんだけど。 「でも、その手紙の内容を無き物にしようとする奴等が来るはずじゃねーの?」 「ああ。奴等の命を抹消して頂きたい。それが私が貴方に託す仕事だ」 俺はロキの手から封筒を奪い取り、部屋に残る二人あっかんべーをして部屋を出て行く。 「貴様は、裏ルートで先にユートラル国へ参られよ」 「あーん?」 「レキ殿と旅をしている仁義=リョク殿を護れ」 「ほいほい。じゃー、まったなー☆」 俺は警察庁ビル前に止めていたバイクに跨りエンジンを吹かしユートラル国へ急ぐ。 それをロキのバイクが猛烈な速さで通り越した。 「アレ・・いいなあ・・」 ボソッと呟いた俺は、背後に迫り来るガラの悪そうな奴等の姿を見て溜息をつきつつも、ユートラル国へ急いだ。
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レキっていう説教野郎がいないお陰でオレは、楽しく観光中。 でも何か胸騒ぎがすんだよなあ・・・。 何でだろ? 「レキ様、レキ様」 「何かあったか?ティーラ」 ティーラは、神道=リライトとかいうあの金髪碧眼の女の部下で、無燈=ティーラという16歳の女の子だ。 オレなんかと違って、小さくて可愛いものが好きで・・・女の子の例えにされそうな奴。 「そちらの方は誰でしょう?」 あ゛? オレは、ティーラの指差す方を見た。 そこには、黒髪で深い海の色の瞳の男が息を上げて手を膝についてやがる。 何だコイツ。 どっかの誰かに雰囲気が似過ぎだろ。 男は、深呼吸をしてティーラへ態度のデカイ様で 「盟誓=シェルを即刻東ゲートへ向かわせろ!!!!」 と叫んだ。 ティーラは、一瞬戸惑ったけど元気よく返事をして警察庁へ走って行った。 黒髪青眼の男に観光を邪魔されて不機嫌モードに入りつつあったオレに、男は 「仁義=リョク!!貴様は、俺と警察庁最上階客室へ来いっ!!!」 と言い、自分のバイクにオレを簡単に乗せそのままオレを拉致した。 ・・・・・・・・・って、呑気に説明してる場合じゃねえええっ!!!! 「止めろ――――――――――!!!!」 「あ、それ無理」 ふぐぅ・・・ますます誰かに似過ぎだ・・コイツ。 警察庁最上階客室に連れられたオレは、偉そうにソファに座る男へ 「アンタ、誰だよ」 と言う。そしたら、男は 「俺?ああ、ロキ」 ロキだと~? フザケタ名前が本名なのは、ある意味侘しいもんだな。 ってな目でオレはロキとかいう名前の男を見たら 「リョク。これから話す事に驚くなよ」 「あ、ああ」 何を話すつもりなんだ、コイツ。 ロキは座っていたソファから離れ、窓に近づいた。 「現在、世界中央国セントラル国裏社会の頂点に君臨する者の別名を、殺し屋ヴォルフという。そして、そのヴォルフの四代目の名は推古=レキ」 オレは、一瞬にして何もかもを忘れたかの様に呆然とロキを見た。 「俺は、掩蓋=ロキ。レキの実の父親だ」 掩蓋・・・・ロキ・・・。 コイツが・・・・? レキの父親・・・・・? オレは思考回路を失いその場に座り込んだ。 すると、ロキはオレの前にしゃがみ、 「殺し屋だけど、ヴォルフは良心的だよ?でも、頼まれた仕事は的確にするけど、もし・・・・その仕事に護りたい人が関わってしまえば、話は別にならない?キミは、レキがキレたのを見たことはあるよね?」 オレは、首を縦に振る。 「なら分かるはずだよ、今回もキミ・・・哀=サラが関わっているんだ・・ほんの少しだけ。レキは知らないけど、俺は殺し屋ヴォルフ三代目だし、一応現在の裏社会の頂点に代理で君臨してるから。まあ、武装もしてるから大丈夫そうだけど、俺も頼まれた仕事を遂行しないとならないからね」 ロキは、見た目とは思いつかない程に、スラスラと言葉を述べてオレにニッコリと微笑んだ。 それを見て、オレは唐突に歌を詠いたくなった。 まるでそう・・・レキの無事を祈る様に― |