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本日晴天ナリ。
そんな言葉を久しぶりに言ってみたいものだよ・・・いや、本当に。冗談抜きで。
僕とリョクは、数時間前に逸れてしまった。
それも、いかにも怪しい森の中で。
ゆっくりとバイクを進ませると、小さな町に着いた。
此処は―――――
僕の視界に入ったのは、昔の僕に似た少年が全身を血の色に染めて呆然と立ち竦んでいる姿だった。
そして彼は振り返り、僕を見つけ駆け出して小さな軽機関銃器と小さな短刀を巧みに使いこなし、僕の真後ろにいた輩を邪魔な産物として認識して頭へ一発銃弾を放ち心臓へ短刀を突き刺して命を奪った。
それでも息をしている輩には、四肢を再生不可能に切り刻んだ。
その作業を終えた彼は、僕を見た。



『俺なら大丈夫だ。お前は前だけを見て進めばいい』





彼の両手両足は黒く変色した血が気味悪く飾り、顔は鮮やかな真紅の血で染まっていた。
ただ、目の色だけが薄く紫に光っていた。
僕は彼の静かで威厳のある言葉に従って、彼に背を向けて前へ歩いた。
すると景色が一変して、今度は白髪に少し銀髪が入っている髪を腰まで伸ばした、とても綺麗で可憐な姫が目の前に現われた。
その人は、昔出逢った人にとても似ていた。
僕は、彼女に焦がれた。
人々に幸せを運ぶ女神の様に見えた彼女を見ていると心が落ち着いた。
けれど彼女は、僕に一言の言葉を言い残して消えた。
その言葉は、



『私なら大丈夫です。貴方は後ろを振り返らず進んで下さい』




此処は一体何処なのだろうか・・・。
僕はとても知っている人に逢って混乱した。
でもそれが誰なのか、自分自身が分かっているから余計に此処が何処なのか。
自分は誰だったのかを確認させられる・・。
此処は、幻影の森。
迷わされている時間なんて必要ないのに、僕は大切な人の所へ行かなければならないのに。

お願いだから覚めて・・・・後味の悪い夢は

早く行かないといけないんだ・・

僕のお姫様は世界で一番優しい人だから―







「完璧はぐれた・・・・。一人にすんなああああああ!!!!!」
ガサガサ
「いやだあああああああああ、こんな所で死にたくないいいいいっ!!」
トンッ
「ふぐぅ・・・」
「何、泣いてんだよ」
「・・・・」
「全く、リョクは俺がいないと――――・・!?」
ぎゅぅ
「怖かっ・・た・・・んだからな・・」
「あ―・・・はいはい。ごめん、ごめん。俺が悪かった。ん?」
「レキ・・の阿呆」
「はいはい、俺は阿呆ですよ」
「何で・・・投げやり・・なんだよ・・・」
「道に迷ってて世界一泣き虫な誰かさんを見つけるのが遅れたから。とか言えば機嫌直るのか?」
「・・・ウルサイ」
「今度はもっと頑張りますよ」
「じゃあ、許す」
「有り難う、リョク」
「何っ・・で・・・喋り方・・・」
「何でって、お前がそんな喋り方だからだろ」
「何か・・・変なカンジ・・・」
「ああー・・それは禁句」
「な・・に・・それ」



僕のお姫様は
世界一泣き虫で
世界一優しい人
それは今も昔も
未来もずっと
変わらない


【夢追い人 第六話 昔日夢の森 End】
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