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森を車とバイクで突き走っていると、二手に分かれる道へ出た。
そこで、前を走ってる車が先にブレーキをかけ、バイクに乗る僕は左側の道へ前輪を向け、 「僕らはこっちに用があるけど、キミ達はどうする?」 運転席に座るメツへ言うと 「右へ行く。左は行き止まりのはずだ。何をしに行くんだ?」 「用事を済ませに行くんだ。だから先に行っておいてくれないかな?」 メツは返事をせずに車を発進させ、右側の道へと進んで行った。 それを見送って、僕達も左側の道へ進んで行く。 左側の道は右側の道よりも、ガタガタの砂利道で走りにくい。 それを我慢して進んでいくと、行き止まりに一件の赤い屋根が印象的な、大きな木造の家がある。 その家の玄関前にバイクを止め、メットを脱ぎ、玄関のドアに手を掛け、ノックする。 するとドアはゆっくり開き、中から長身の女が出てきて、僕を見るや否や日本刀を向け、僕はバイクの所まで飛び退いた。 「よくものこのこ、やって来やがったなテメェッ!!」 「用事があったから来ただけだよ、クソババアッ!!!」 「誰がババアだと!? 今日という今日こそ、噛み殺してやる、クソガキャァッ!!! 「やってみろよ、糞男女野郎!!!」 久しぶりのマジモードのレキだー。 にしても、相変わらずというか、久しぶりというか。 レキと言い争ってる人は、蛇道=サライといって、オレに戦い方を教えてくれた師匠なんだけど、口が汚い。 それから実はもう一人いるんだけど、そいつはオレの師匠とはまた違う人間で、レキの師匠に当たる人。 その人は、レキ馬鹿。いや、変態。 「おやおやー? これはこれは久しい子達が来てるんだねー」 声の調子は普通の人とそう変わりはしないのに、変態なコイツの名前は、毒華=キョウ。 詠歌師【神威】の位を持ってるらしいけど、詠歌師っていう職業って本当にあったっけ・・・? まあいいや。 変態キョウはレキ達の喧嘩を止めて、二人を引きずりながら家の中へ入って行った。 それをオレは追いかける。 「離せ! 僕は荷物じゃないっ!!」 「変態菌が移る!! レキ、もっと暴れろ!!」 「サライが暴れてよ!!」 僕とサライは、キョウに引きずられて家の中へ入り、すぐにキョウは僕達を離して、広いリビングにあるソファに腰を掛けて、その隣にリョクが座ってた。 リョク、馬鹿だから危ないことに気づいてないのかな。 床に座ってる僕達は二人の間に入った。 「ちょっとサライ、何で俺とレキの間に入るのかなー?」 「テメェが変態だからだろ!!!」 「うわっ、失礼だねー。俺は変態じゃないよねー、レキ」 貴方は変態です。とでも答えたらいいわけもなく、流しておいた。 「サライ、僕達の部屋ってあのまま?」 「おう。荷物置きに行くか?」 「うん。行こう、リョク」 「んおぅ」 僕達三人はキョウをリビングに残して二階への階段をのぼっていく。 PR
この家の二階には、部屋が何部屋かあって、うち二部屋を師匠たちは個々に使ってる。
そして、たまにやってくる彼等の弟子達専用の部屋があって、その一番奥に、少し広めの部屋が一つある。 その部屋を僕達二人は使ってる。 どうして僕達が二人で一部屋を使うのかというと、問題は全てリョクにある。 リョクは一人で寝られないし、自分で起きれないし、すぐに散らかすし、ベッドから落ちるし、だから僕達二人は特別に広い部屋を使わせてもらってる。 その分、色々やらされたりはするんだけど。 その部屋のドアを開け部屋に荷物を置き、適当な場所にあったイスに上着を掛け、帽子を脱いだ。 「アンタ、まだ小さいままだねえ」 「レキは大器晩成型なんだよ、師匠!」 リョクがまるでフォローする様に言い、サライは嬉しげに笑ってる。 僕は荷物の中から小型ノートパソコン型携帯を取り出した。 「何に使うんだ、ソレ」 リョクが僕の携帯電話を指差してみる。 「さ、行くか!」 「そうだね、サライ」 「サライ師匠様。だろ?」 「様はいらないでしょ、様は」 僕とサライが、リョクを無視しながら部屋を出ると、ドアがパタンと閉まった。 「あ~・・・・・ありゃ、完っ全に拗ねたぞ」 「何せ馬鹿だからね」 「手遅れじゃねえだろ」 「まあね。とにかく、降りないと、変態が狂うよ」 「だな」 急いで階段を下りると、師匠と思しき変態は床をゴロゴロ転がっていた。 その気持ち悪さに耐え難い顔をした僕を救うかのように、サライが師匠の首根っこを掴み、ソファへ叩き付けた。 バゴッという音とともにソファにずるっと倒れる師匠を見つつ、僕とサライは向かい側に置いてあるソファに座った。 「いつまでもへばってんじゃねえぞ、変態」 「俺は変態じゃないよー」 そう言いながら普通の姿勢で座る師匠は、瞬時に目つきを変えた。 「世界が均衡を保てなくなってきてる事に気づいているね、レキ」 「そうでなきゃ、来てないよ」 と返した僕の言葉を聞いて、サライが席を立ち、台所へ行き何やら作り始めた。 「夢喰い人の脅威を止めるべき者の筆頭に、お前が選ばれた事が何を示すか分かっているね?」 「詠歌師という架空の職業に就く者の定め」 「よく分かってんだな、レキ。頭良くなったのか?」 台所からサライがケラケラと笑いながら言う。 「昔から頭良いんだけど」 「そりゃ、失礼」 サライはまた台所で何かを調理始め、師匠が手持ちのパソコンを起動させ、 「立ち上がるまでの間、少し話をしよう」 「うん」 師匠はパソコンの画面をじっと見つめたままで話し始める。 「詠歌師はまだ世界に俺とお前だけ。持っている力は個々に違う。俺が癒しの声を持つように、レキは破壊の声を持つ」 対照的な力を持つことは、この力の存在を知った時に理解して、その上で使い方をこの人に学んだ。 「詠歌師に敵う者は世界におそらくいないだろう。だからこそ、人々の夢を喰らい、そのエネルギーを利用し、俺達の様な者達を消し去りたい夢喰い人の考えは?」 『ならば、その詠歌師ごと世界を滅ぼせば全ては終わる。新たな世界は我等が夢喰い人が創り出す』 答えたのは僕でもなく、師匠でもなく、サライでもない。 二階にいるはずのリョクだった。
しっかりとした意識を持ってるリョクが、考えもしなかった言葉を言った。
それもその答えが完璧なほどに当たっていて、僕は驚いたけど、師匠はリョクを僕の隣に座るように言い、彼女は座る。 「どうしてリョクは夢喰い人の考えを?」 何の疑いも持っていない師匠がリョクに尋ねると、 「オーリに聞かされたんだ。アイツ、夢喰い人が人間の中でとりわけ嫌いって言っててさ、それでいつもよく言ってたんだよ、それ」 以外にもアッサリ答えた。 「オーリか。久しい名前だな、サライ」 師匠は台所から、こちらへ戻ってきたサライに言う。 サライは軽食に、と作ったサンドウィッチを無理矢理僕の口に突っ込んで、笑う。 サイアク・・・。 それをむしゃむしゃ食べてる僕を尻目に、三人は話を進める。 「ああ、あのレキに似てるクソガキか?」 「師匠っ! オーリとレキ、全然似てないって!!!」 「そうだぞ! アイツには可愛げなんてものは無いんだー!!!」 一人黙々とサンドウィッチを食べてる僕なんて気にしないで三人は話をして、完全に僕を忘れてくれていて、食べ終えた僕は、 「というか、師匠達はどういう経緯でアイツと知り合いなわけ?」 三人のうち二人に尋ねた。 「冥界神王、王=オーリは一時ココにいたんだ」 「つまり、お前ら二人の先輩って事だな!」 カラカラと笑うサライと師匠は言った。 「「ええええええええええええええええええええっ!!!」」 当然の如く驚いた僕とリョクは叫んだ。 まだ途中でし(ノД`)・゜・。 |