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「リョク左から二人だ!!!」
「・・・くっ」 何なんだよ、このゲーム。オレ達が連れて来られた場所は、処刑場。 あのジャンケンで勝った奴等全員は、あらかじめ用意されていた犯罪人と命を賭けて勝負するっていう馬鹿げた国民の娯楽だった。 それに付き合わされて、生き残っているゲーム参加者はもうオレとメツだけ。他の奴等が弱すぎっつーか・・・・・。 「リョク後ろだ!!!!」 「え?」 オレは、後ろからの攻撃に気づかなかった。死ぬ? マジでそう思った。でもオレの背には誰かの背があった。 「死ね、下種野郎」 聞き覚えのある声にオレは安堵した。 「ボサッとしないで逃げる準備でもして!!!!!馬鹿リョク!!」 「お、おう・・・って誰が馬鹿だとー!!!!!」 オレの後ろに立っているのは、城を囲んでいたゲートでジャンケンの勝負に負けたレキ。 「馬鹿はお前だリョク・・・・・・っとソウ動くんじゃねえ!!!」 「そぉゆぅメツが怪我してるからぁ~、アタシがぁ来てあげたんだしぃ~」 ああ、こんな場所でそんな微妙ないい雰囲気を醸し出すな。どう反応したらいいのか分からないだろうが!! とオレが思っていると、どうやらレキも同じ事を思っていたらしく表情には出さないように、腰に吊るしたホルスターから二二口径自動式銃「雪の人」を素早く取り出してオレから離れ、寄って来る犯罪人の足元だけを狙い銃弾を撃ち放つ。どうやったら、あんな事が出来るのかオレには多分一生理解不能なんだろうなあ・・・・。 「ソウ、動ける!!?」 まだまだ出て来る犯罪人を一人で相手にしているレキは、メツの怪我を治してるソウへ言葉を投げる。 「大丈夫だと思うわけぇ」 てか、オレにはそういう言葉くれないのか・・・・レキ。 「リョク!!」 お? 「キミは二人を連れて先にこの国のゲートへ行って!!」 「お前はどうすんだよ!!!」 「僕は、後から行く!!だから早く!!!!」 依然として犯罪人の相手をしているレキを見続けるオレの腕をソウが引っ張った。 「だぁいじょぅぶだってぇ」 そしてオレは、名刀「業火」を鞘にしまいソウとゲートへ急いだ。 リョクとソウを何故か見送っているメツは、僕へ 「一人で無理だろうが」 少し怒り気味に言う。でも僕は、 「キミは何でまだそこにいるの?」 「お前一人じゃ無理だからって言ってんだろうが!!!」 何をそんなにいきがってるの? キミは。 「いつ誰が一人だと言ったの?ちゃんと周りを見たら?」 「・・・なんっ!!!」 僕が静かにそう言った即座、僕の左右両脇を女の子が固めた。 「そいつ等誰だよ!!」 メツは僕の両脇に立つ二人の女の子を交互に見てる。 「ねえ、四代目この人誰~?」 「あ、四代目とか禁句なのにー」 四代目。 それは昔の僕が多くの人から呼ばれていた呼び名。そんな頃の僕を知ってるこの二人は、昔の知り合い。 「知り合いじゃないのかな?だから、行っていいよメツ。僕は大丈夫」 「そうか・・・じゃあゲートで待っといてやる」 メツの走り出す音をしっかり聞いた僕は深呼吸をして、 「セナは僕の後ろを牽制。エナは僕のバイクを取って来て」 『了解』 二人は僕に言われた通り行動を開始させた。この二人は、僕の昔の知り合いでいて、この国の住人。それでいてこのゲームの首謀者だったらしい。 そして数秒後、バイクを取って来いと僕に命令されたエナという女の子が僕のバイクを軽々と右腕一本で持ち上げて走ってきた。 長い間見ていなかったけど、その特技はいつ見ても気味が悪いね・・・。 エナは、怪力。それも家一つ壊してしまうくらいの。 「四代目~、バイクヤバかったけど何とか死守~」 ヤバイって何!!!! 「ありがと。セナ、エナ、僕はこのまま逃げるけど後の処理任せるよ」 『了解』 僕は、エナが持ってきたバイクに跨りゴーグルを装着して処刑場を後にした。 「久しぶりの四代目からの命令楽しもうよ~エナ~」 「悠長な事言ってる暇あるなら手伝ってセナー」 処刑場を任せた僕は、この参加型小国ゲーム国を取り囲むゲートへバイクを飛ばす。途中、この国の警察官に止められそうになったけど無視して何事も無い様にバイクを飛ばした。そしてゲートに着いた僕は愕然とした。 ゲートは重く扉を閉めていた。急ブレーキでバイクをゲートギリギリに止めた。そのゲートの向こう側からはリョクの声が聞こえる。 ああ、本当にもう僕ってツいてない。でもそんな僕は何かが壊れる音が聞こえた。それと同時にゲートの向こう側から赤い炎が見た。 あ、そうか。向こう側で僕を待ってくれている三人がゲートを壊そうとしてくれてるみたい。僕は、あの三人と違って能力を持っていないから何も出来ないから。そしてゲートへの最後の攻撃はメツのヴァイオリン攻撃らしい。まさかメツって吟遊師の能力がかなり高い者のみが出来るって言われる現世でも能力を発揮出来る人なのかもしれない。でないと、今からゲートを壊そうなんて真似出来ないだろうし。 『最終楽章 呻きの悪魔』 メツの声が聞こえた次の瞬間ゲートが勢いよく風に飛ばされたのは良かったけど、僕もバイクごとゲートの外側へ飛ばされた。 「うわあああああああああっ!!!!!!」 やりすぎだよ、キミ等。 「・・・・・っぁ・・」 バイクのハンドルを握っていた手を離した僕は地面に叩きつけられた。 そして空中へ飛ばされたゲートは元々あった場所に戻った。 「大丈夫か、レキ」 「まあ・・ね」 ヴァイオリンを自分のフィールド内へ戻したメツが僕の手を取って立ち上がらせてくれた。 「俺たちは、これからイース国へ行こうと思う」 「だからぁ、ここでお別れぇ」 そう言ってメツは、車の運転席へ入った。ソウは助手席の窓から顔を出してリョクと何やら話している。 「お前等は、何処へ行くつもりなんだ?」 「コイツで行ける所。かな」 コイツと言って僕は、バイクをコツンッと一度叩いた。 「そうか。あ、そうだお前携帯電話持ってるか?」 この世界には携帯電話がある。その形は様々で、折りたたみ式から天道虫型まである。僕は、小型ノートパソコン型携帯電話を鞄から取り出す。 ノートパソコン型だから常時携帯していられないのが欠点。でも、僕とリョクはコレを愛用してる。 「小型ノートパソコン型か・・・・いいよなソレ」 と言ってメツが自分のを僕に見せてくれる。メツの携帯電話は天道虫型だった。うわあ・・・・絶対キミが買ったんじゃなくて、ソウが買ったって事が分かるよ・・・。 「ソレ・・なんだ」 「ああ。連絡繋げれる様にしときたいんだ」 「そうだね。えっと赤外線付いてる?」 「ああ」 僕とメツは赤外線部分を互いの携帯電話へ向けて携帯電話の連絡専用コードを転送する。 【転送完了】の文字が携帯電話の画面に映った所で、それを元の場所に戻し、メツは車のエンジンを掛けた。 「ソウ、そろそろ行くぞ」 「りょぉかぁぃ。じゃぁまた連絡するからぁ~リョクゥ」 「おう」 そして、メツが僕の腕を引っ張って 「な、何?」 小さな声で言う。 「次の国はある意味面白いから、久しぶりに楽しめ」 「うん」 「じゃあな、二人共」 「またねぇ~ん」 メツの運転する車は猛烈な速さで走り去った。 「僕等も行こう」 「了解」 ゴーグルを装着してバイクのエンジン掛け、僕は右側でバイクのハンドルを握っているリョクに 「ソウと何話してたの?」 と聞いた。 「何でもねえよ」 「・・・怪しいよね、リョクって」 「ああっ!!!!!?」 「バーカ」 僕はハンドルから手を離して僕を殴りに掛かろうとするリョクから素早く逃げるためにバイクを前へ走らせた。 「逃げんなあああああああっ!!!」 「逃げてないって、阿呆リョク」 次の国に辿り着くまでにリョク、キミは僕に追いつける? 「速度落としやがれえええええええええええええっ!!!!!!」 ああ、その口調で喋るとキミの格が落ちるよ・・・・・。一応女の子なんだから。もっとこう・・ソウみたいに・・・・・・いや、あれはあれでキツイものがあるけど・・。もう少し・・・。でも所詮リョクには無理な申し出なんだろうなあ―・・ 【夢追い人 第四話 参加小国 End】 PR
本日晴天ナリ。
そんな言葉を久しぶりに言ってみたいものだよ・・・いや、本当に。冗談抜きで。 僕とリョクは、数時間前に逸れてしまった。 それも、いかにも怪しい森の中で。 ゆっくりとバイクを進ませると、小さな町に着いた。 此処は――――― 僕の視界に入ったのは、昔の僕に似た少年が全身を血の色に染めて呆然と立ち竦んでいる姿だった。 そして彼は振り返り、僕を見つけ駆け出して小さな軽機関銃器と小さな短刀を巧みに使いこなし、僕の真後ろにいた輩を邪魔な産物として認識して頭へ一発銃弾を放ち心臓へ短刀を突き刺して命を奪った。 それでも息をしている輩には、四肢を再生不可能に切り刻んだ。 その作業を終えた彼は、僕を見た。 『俺なら大丈夫だ。お前は前だけを見て進めばいい』 彼の両手両足は黒く変色した血が気味悪く飾り、顔は鮮やかな真紅の血で染まっていた。 ただ、目の色だけが薄く紫に光っていた。 僕は彼の静かで威厳のある言葉に従って、彼に背を向けて前へ歩いた。 すると景色が一変して、今度は白髪に少し銀髪が入っている髪を腰まで伸ばした、とても綺麗で可憐な姫が目の前に現われた。 その人は、昔出逢った人にとても似ていた。 僕は、彼女に焦がれた。 人々に幸せを運ぶ女神の様に見えた彼女を見ていると心が落ち着いた。 けれど彼女は、僕に一言の言葉を言い残して消えた。 その言葉は、 『私なら大丈夫です。貴方は後ろを振り返らず進んで下さい』 此処は一体何処なのだろうか・・・。 僕はとても知っている人に逢って混乱した。 でもそれが誰なのか、自分自身が分かっているから余計に此処が何処なのか。 自分は誰だったのかを確認させられる・・。 此処は、幻影の森。 迷わされている時間なんて必要ないのに、僕は大切な人の所へ行かなければならないのに。 お願いだから覚めて・・・・後味の悪い夢は 早く行かないといけないんだ・・ 僕のお姫様は世界で一番優しい人だから― 「完璧はぐれた・・・・。一人にすんなああああああ!!!!!」 ガサガサ 「いやだあああああああああ、こんな所で死にたくないいいいいっ!!」 トンッ 「ふぐぅ・・・」 「何、泣いてんだよ」 「・・・・」 「全く、リョクは俺がいないと――――・・!?」 ぎゅぅ 「怖かっ・・た・・・んだからな・・」 「あ―・・・はいはい。ごめん、ごめん。俺が悪かった。ん?」 「レキ・・の阿呆」 「はいはい、俺は阿呆ですよ」 「何で・・・投げやり・・なんだよ・・・」 「道に迷ってて世界一泣き虫な誰かさんを見つけるのが遅れたから。とか言えば機嫌直るのか?」 「・・・ウルサイ」 「今度はもっと頑張りますよ」 「じゃあ、許す」 「有り難う、リョク」 「何っ・・で・・・喋り方・・・」 「何でって、お前がそんな喋り方だからだろ」 「何か・・・変なカンジ・・・」 「ああー・・それは禁句」 「な・・に・・それ」 僕のお姫様は 世界一泣き虫で 世界一優しい人 それは今も昔も 未来もずっと 変わらない 【夢追い人 第六話 昔日夢の森 End】
バイクを走らせて、そろそろ2時間。
以外に距離があったんだなって、今更だけど思った。 僕は、ケーストルア国のゲートギリギリにバイクを止めて、ゲートの所に立っていたケーストルア国、国防連合軍警察庁巡査長の証をつけた男にゲートを開けて貰い、国へ入った。 そして思った通り、僕は捕えられて国防連合軍警察庁へ連れて行かれる事となった。 ケーストルア国は、セントラル国の南ゲートを護る南の国であって宝石などが産物に上がる。 そんなケーストルア国の頂点に君臨する人間の名前は、願望=スウキ。 彼の部屋へ招待された僕は、黒シャツに黒のズボン、黒のロングコートで黒のブーツを履いた上に、首からバイクのゴーグルをつけている様のために、少々怪しい身なりになっているのかもしれない。 自分では、あんまり分からないけどね。 「名を申せ」 「推古=レキ」 「・・・何」 「何じゃねーよ、推古=レキだっつってんだろーが!!」 僕は、リョクが一緒にいない今回の旅だと気を張り詰めていなくていいから、どうしても素で喋ってしまう。 というわけで一応今回だけ、「俺」と言わせてね☆ 「推古=レキ、貴様は旅をしているのではなかったのか?」 スウキは、イスに座って俺をじっと見つめてくる。 「その途中。で、聞きたい事があるんだ」 「資料室へ行くか?」 「それは勘弁。アンタの口から直接聞きたい事が山ほどあるからんだって」 するとスウキは、眉間にシワを寄せ部屋にいる二人の警察官に俺を捕える様に指示した。 それを見逃さなかった俺は、黒のロングコートの内側に隠していた短刀「血塊」を警察官のいない方向へ投げた。 「何処狙ってんだよ!!」 「バッカじゃねーの!?」 「あんまり、俺の事嘗めてると痛い目ェ見るって♪」 俺はニッと笑う。 そして短刀「血塊」は二人の警察官の背へ突き刺さった。 「なっ・・・」 スウキは、イスから立ち上がり窓から逃れようとしている俺の肩を掴もうとしたけど、俺はそれよりも早く窓を割って外へ落ちた。 ケーストルア国はあまり高いビルが無い。 一番高くても三階程度だ。 その一番高い建物がこの国防連合軍警察庁なら、ユートラル国警視総監殿の様に翼が無くとも怪我せずに着地出来る。 身軽な俺は、石畳の地面に着地して、警察官に没収されていたバイクを奪い取って、ケーストルア国にある知り合いの家へ向かった。 ただ問題なのは、そいつの家が、北よりにあるために今俺がいる場所からだと遠い事が難点だ。 ともかくとして、石畳の通りを爆走する俺に違和感を覚えている国民や怒りを覚えて捕らえ様としている警察官が猛烈に追いかけてくる。 いつもなら言わないけど、今日は心の中で言ってやる。 「首から上を飛ばしてやろっか?」と。 そうこうしているうちに、追いかけていた奴等は消え去り俺は知り合いの家に着いていた。 バイクをスタンドで立たせ、一階建ての小さな家の玄関にある呼び鈴を鳴らすと中から、袖の長さが以上に長い灰色の服を着て黒のズボンを履き、右肩に散弾銃を掛けている四十代半ばくらいの男が、のっそりと俺を出迎えた。 「久しいのぉ。以前逢うたのが二年前だったのがつい先日の様で仕方無いが、何をしに参られたのだ」 と言うこの何処でも寝る事が出来そうな風貌を俺へ向けているこの人は、俺を家へ歓迎してくれた。 家は、外から見るよりも断然広い。 男は、長い袖を俺へ向けて椅子に座るよう指示した。 「話さなくても分かって貰いたいんだけど・・」 「分かっとる。南のケーストルアが東のユートラルに狙われている理由だろうに」 やっぱり分かってるし。 この男は、視察=ガキという名前で、おそらくこの世界で様々な情報を知り尽くしている情報一級師なんだろうと思う。 現に、俺がこの人に情報を聞きに来ているのが良い例。 「人助けなら情報料を取らんが、どうだ」 「俺は自分自身の事で聞きたい情報は別の情報一級師に聞くっつーの。ガキに聞いたら半端ねェ金額にされんの分かってるし」 「左様か。ならば、聞き漏らすなよ」 「了解」 そうしてガキは、慣れた手つきで情報になりそうな書類を机に広げ、映像地図を出して説明し始めた。 南のケーストルア国は、セントラル国を護る四天王国の中で最も国土が小さい国で、その次にユートラル国が小さい。 ケーストルア国、国防連合軍警察庁警視総監である願望=スウキは、ユートラル国も自分の治める国にしてしまえと考えた。 そして願望=スウキは、東の国ユートラル国、国防連合軍警察庁警視総監である盟誓=シェルの命を無きものにしてやろうと考えたが、近々世界一有名と詠われても可笑しくない一人の少年が、ユートラル国へ訪れるという事もあり、少年が国を出てから作戦を実行する事にした。 とか何とかをガキは、スラスラと言い終えて、カップにアイスコーヒーを注いだ。 「ずずっ・・・・付け加えるとするなら・・この事実を知っている者は、ケーストルア国国防連合軍警察庁の人間だけという事くらいだぞ?」 俺は足を組んで椅子をガタガタさせるのを止めて、コーヒーを啜っているガキに 「ガキでもそれが限界だったわけなんだよなあ・・・」 「そうだ」 俺は、「そっか」と言って、立ち上がり俺のカップらしきものに注がれているアイスコーヒーを一気に飲み干してドアを開けた。 「もう行くのか?」 「ああ。今の俺は夢追い人だから―――――・・」 夢追い人だから。 と言おうとした俺の言葉をガキが遮った。 「そう言いつつも、本業でこの国へ来たのであろうに」 「うぐっ・・・。と、とにかく情報サンキュー、ガキ!!!じゃあ、またなっ!!!!」 俺は、半ば強引にガキの家を後にしてバイクに跨り、ケーストルア国、国防連合軍警察庁警視総監殿の待っているだろう場所へ急いだ。 そこは、国防連合軍警察庁ビル。 そこで俺は、俺の本業を警視総監殿へ見せつけるためにセントラル国にいる知り合いに小型ノートパソコン型携帯電話で応援を呼ぶ。 本当は、一人で片付けたい所けど無理っぽいし。 何より怪我しないでユートラル国に帰らないと、誰かさんに怒られる事間違いないからな。 おっと、返事が来た。 『可愛いお前のお願いは断れないからなあ』 ・・。 返事は一人からだけ。 他の奴は忙しいってか!!!? まあ、いいや。 俺はバイクを急ブレーキで国防連合軍警察庁ビル前で止め空を見上げた。 本業開始かな。 |