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まずは、周りに立っている奴等からどうにかしないと、埒が明かない・・という事は分かっているけれど、どうもこうも今日は気分が乗らないんだよね。それでも10人の命は軽く頂戴している。
「死ねえええええええええっ!!!!!!!!」 背後からなんて、卑怯な真似しながら僕に「死ね」なんて言葉吐いちゃったら、キミの命貰っちゃうよ。素早く後ろへ振り返りズタズタの刃を僕の腹へ刺そうとしている青年の心臓へ一発銃弾を。 「ごぼっ・・!!!」 返り血を浴びせられた僕は、「雪の人」に新たな銃弾を装填させ左右にいる2人の頭を狙い、見事に的中。そして小さくガッツポーズを取った僕は、その場にしゃがむ。そんな姿勢の僕の頭上に凶器が振りかざされ、離れた場所で戦っているリョクが何かを叫んだ。 「逃げろ」か、な。 でも残念、僕に逃げる道はたった一つ。そう、凶器の揃った頭上のみ。 でもね、人間って以外に見ていない所があるんだよ。それは、足元。 僕は上着から短刀「血塊」を取り出して、僕を取り囲む奴等の足を勢いよく左から右へスライドさせた。それで十分なんだ。 人間って意識していない所を怪我すると一瞬間置いて痛みに耐え切れなくなったりするから、その瞬間を狙うんだ。 「・・・・?」 この瞬間を。僕は足を押さえている奴や、何が起こったのか理解していない様の奴等にぶつかりながら立ち上がり、また「雪の人」で軽やかなメロディーを奏で始めた。こっちに向かって来る奴は残り・・・20人って所か。 キレてくれ。とは言ったけど、アイツ・・キレてねえな。証拠にオレへ攻撃する奴が一向に減ってねえし。っと、いつの間にか囲まれてんじゃねえかよ。オレは、レキみたく素早くないうえに武器も名刀「業火」しかない。 どうやっても勝てる気が沸かない。 それでも、オレの表職業は一応魔剣士。だから、こんな所で命落としたりしたら何て言われるか、溜まったもんじゃねえしな。 オレは「業火」を刃を左に向けて横にし、 『目覚めよ焔 我が名は哀唄』 オレは、「業火」へ魔力を送り込む。すると剣の刃は炎に姿を変え、オレへ語りかける。語りかける「業火」を半ば無視してオレは、周りを取り囲む奴等の下腹部や腕、足などそれぞれに様々な箇所を焼き尽くしていく、でもオレはキレねーんだよ。オレは、レキと違ってリミッターとかで制してあるから色々面倒なんでね。それと、オレと共に戦ってくれる「業火」は世界五大名剣の一つ。世界名刀に登録されている剣は、全て魔剣と同等の力を持ってるのが多いから、オレみたいな魔剣士でも使えるんだ。 説明してる間に10人は倒したか・・・。 「リョク!!!!」 「何だ、レキ!!」 レキが、周りの奴等を全員倒して俺へ駆け寄る・・・というよりは通り過ぎた。ああっ!!? 「何してんの!?逃げるよ!!!!」 「どこが出口か分かんのかよ!!!」 「・・・多分」 「はあっ!!!?」 「いいから!!」 そしてオレは、「業火」を鞘へ戻し先を走るレキを追った。 最初に僕達を襲ってきた人たちは倒したんだけど、次から次へと現われるからキリがないって事で、倒すより逃げる方を取ったわけだけど・・・。 一体何処に、脱出口があるんだろうね。というか、前から何か来てるような・・・気がするのは僕だけじゃないみたいで、リョクが苦い顔をしてる。 反対に僕は、二二口径自動式銃「雪の人」の銃口を前へ向けて一発威嚇用として撃ち放った。それで腰を抜かしたのか、通路の壁にもたれてる。 その人たち見てリョクは笑いながら僕の後ろを走っている。 「・・・見つけた」 「マジ!?」 ずっと真っ直ぐ走ってただけなのに、こんなに簡単に見つけれるとは誰も思わないだろうね。それに、僕の見つけた脱出口になってるドアには筆で汚い文字が落書きの様に書かれている。その文字は、かろうじて読めるものの・・かなり考える時間が必要になりそうなものだから考えるのは止めて、僕はドアを押した。 ギ――――――――――――――・・・ そこには、僕とリョクのバイクと2台の車があった。黒い車体の車に乗ってるのは呪=ソウと破=メツ。青い車体の車に乗ってるのは研兄弟と壊=ハル。どうやら、彼等はココで僕達が脱出してくるのを待っていてくれたらしい。それに―・・・ ともかくとして、僕とリョクはイルから荷物を投げられて、それを受け取りバイクに跨った。エンジンを掛けてゴーグルを着用した僕とリョクは同時に頷いてバイクを発進させた。それに、2台の車も続いた。 民間人だけをコートという、未だに戦いに焦がれている国へ残し。 PR
ブロロロロロロロロロロロロロロ
コート国を出国してから1時間程バイクと車を飛ばしていた僕達は、綺麗な小川を見つけて一休みする事にした。バイクから降りた僕とリョクは、真っ先に小川の水を飲みに向かう。 「ぷはあっ!!!」 「つっ・・・めてえっ!!!!!」 あははっと笑って、さっきまで疲れを飛ばした僕達の元へイルが走ってきて、小川へ勢いよくダイブした。 「いっ・・・いくら何でも寒いだろ・・イル」 ザバアッ 「あはははっ!!!俺、創られてなんかいないんだよなっ!!人間だよなっ!!」 「おっまえ、いきなり過ぎなんだよ!」 「うるせーやーい、阿呆リョクー」 「あんだとー!!!!!!!!!」 阿呆リョクとイルは仲良く小川で遊んでるから放っておいて、僕は残りの4人の所へ行く。まずは、呪=ソウ達の方へ。 「推古=レキとか言ったな、テメェ」 破=メツさんて見た目とそのままっていうか礼儀がなってないっていうか。 「あ、うん」 「次の国、一緒に行ってもいいか?」 「それは別に構わないよ」 「そか。なら、昼飯でも作っといてやる」 あ、それはかなり助かるー。 「有り難う。えっと、メツさん」 「さん付けしなくていい」 「そぅそぅ。メッツゥ~ってぇカンジでぇ」 うわ、この人自分の相方のソウをグーで殴ったよ。 「黙れ、そっちから降りてお前水汲んで来い、ソウ」 「あぁ~いぃ~」 ソウは車から降りて後部座席に乗せてあった携帯用鍋に水を入れるために小川へ行った。メツは、車のトランクから食材を出して、昼食の準備をし始めた。邪魔になると殴らそうな気がして、僕はハルの方へ向かう。 そのハルの横には、静かにデルがイルを見守っているみたいなカンジで立って、近づいてくる僕に気づいた。 「レキ・・・貴方には色々ご迷惑をお掛けしましたね・・」 「いや、うん。そうだけど、慣れてるからいいよ・・多分」 「そうですか」と言ってデルは口をつぐんだ。 「レキ、俺達は東へ行こうと思っている。それだけだ」 「了解」 僕は、小川でまだ遊んでいる馬鹿2人の所へ行った。 「あのさあ、いくら春だからって寒くないの・・・?」 「べっつにー♪」 「確かに寒い・・」 僕はバイクへ戻り、鞄から2枚タオルを取り出して1枚を小川から上がったリョクへ投げた。 「全く・・・」 「わりぃ~」 そしてもう1枚のタオルで僕は、リョクの濡れている髪を拭く。 「イル、そろそろ出なさい。風邪をひきます」 「はぁーぃ・・・」 デルに怒られたイルも小川から上がりタオルで髪を乾かしている。 それからやっぱり一時間程昼食を食べていた。 「さて、そろそろ行きましょう」 「えー、もうー?」 「いずれ逢えますよ、イル」 「なら、いーや」 ハルが運転する車の助手席にデルは座り、イルは後部座席に座った。 「では、皆さんまた」 青い車は僕達からどんどん遠ざかっていく。そして僕達も出発の準備を始めた。 「この道を真っ直ぐ行くと、多分国があるんでそこで落ち合うってじゃ駄目かな?」 「いいぜ。じゃあ、後でな」 「うん、後で」 僕はリョクに「行くよ」と言ってバイクを発進させた。それに続いてメツの運転する黒い車も発進した。次の国に何があるのかを期待して― 【夢追い人 第三話 第四研究施設と出入口 End】
研=デル達に別れを告げて、車とバイクで道を直進していると、大きなゲートのある小さな国に着いた。
というか、ゲートがある国に訪れるのはかなり久しぶりな気も・・・。 「旅の方ディスか?」 「あ、はい」 ゲート脇にある長方形の箱の様な造りをしている家から出てきたのは、仕事着である警察官の制服をビシッと決めている一人の男。 「参加される方ディスか?」 「何に、だ」 運転席から降りてきた破=メツが、男に聞く。 「ゲームディス」 「どうすんだ?」 メツは、エンジンを切らずにバイクに跨っている僕を見た。 僕は、腕組みをして首を右に傾けて数分間悩む。 結論は、 「えと、参加します」 「了解ディス。どうぞディス」 するとゲートが耳に残る音を立てながら重く開いた。 「ここは、参加型小国ゲーム国ディス。今より二時間後CASTLE of GAMEへ集まって下さいディス。では、御無運をお祈りするディス」 警察官の人の言葉が終わると、ゲートはまた音を立てながら閉まった。 参加型小国ゲーム国は、噂に着ていた通り、とても活気があって人も多かった。 「今からぁ~、二時間後ぉってぇ、四時じゃぁん。それまでにぃ~・・いやぁん」 呪=ソウは、何とも微妙な喋り方で僕達に何かを言おうとしていたみたいだけど、そんな彼女を厭らしい目付きで見ている輩から、彼女を隠すために、リョクに掴まってバイクに乗っていたのを降ろし、車の後部座席へ座るように言っている。 「レキ、お前一人で四人全員泊まれる所探しといてくれ。俺は・・・いや、俺達は買う物を買ってくるから」 一人でやれと? そんな面倒極まりない事を? でも下手に逆らうと何を言われるか定かじゃないから、僕は大人しく言われた通りにする。 「分かった。じゃあ、リョクはソウの護衛にでもついてあげて」 「・・・・りょーかい」 若干嫌そうなリョクの背を押した僕は、バイクを押して歩き始めた。 その直後、さっきまでソウを厭らしい目付きで傍観していた野郎三人組に僕は囲まれた。 はあ・・・。 思わず溜息が出るよ・・本当に。 「イー宿教えてやろっか?」 あ、それはかなり助かるよ。 でもね、現実ってそんな容易じゃないんだよ。 「嬉しいっ!!」 偽の笑顔を作って、胸の前で両手を合掌してみせると、何を思ったのか彼等に隙が出来た。 その一瞬を逃さないために、両側に立っている男二人の鳩尾へストレートのパンチを入れた。 彼等が仰向けになったのを確認して、前に立っていたはずの男を見た。 そいつは、全身をガタガタと震わせて地面に座っている。 「人を見かけで判断すると命縮めるよ。というか、キミ等弱いねー。あ、そうだ・・すごく良い宿教えてくれるんだっけ?」 「あああ・・・」 男は座ったまま僕から逃れようとしている。 でもその行動を許さない僕は、上着の内ポケットから素早く短刀「血塊」を取り出して、地面で座っている男の顔面寸前で刃の切先を止めた。 「生きてるなら、出来る事しませんか?それとも僕の手によって死にますか?」 ニッコリと笑う僕が怖かったのか、男はガタガタと肩を振るわせながら立ち上がり仲間をその場に放って、僕をとても綺麗な宿屋へ連れて行ってくれた。 そこに偶然買い物を終えた三人が僕の姿を見つけ、こっちへ向かって来た。 「お前・・・」 「おどしぃ~ん?」 「宿っつーか、ホテルじゃねえ!!!!?しかもスゲー、キレーじゃんかよ!!」 思い思い好き勝手な事を言った三人はホテルへ進んでいく。 僕は、大分落ち着きを取り戻した男に 「ありがとう」 「・・・名前教えてくれ。アンタ、強かったから・・覚えときたい」 どうしよう・・本名言って良いのかな・・っていうか本名しかないけど。 「僕は推古=レキ。ホテル教えてくれてありがとう!」 僕は、先を歩いている三人の元へ急いだ。 「推古=レキって・・・有名人なんじゃ・・・」 ホテルへ入った僕達は、二人ずつに分かれて部屋に入った。 僕は無論リョクと。 ―2時間後 僕達4人はホテルから出て、徒歩でCASTLE of GAMEへ向かう。 そこにはゲームに参加するであろう人達が集まっていた。 その中には、強そうな剣士や魔術師が自分の武器を磨いている。 まさかとは思うけど、この参加型ゲームって・・バトルか何かなのかな。 うわあ・・・・やっかいなものに参加しちゃったなあ。 「選手の皆サン、近くにいる人と二人組になってジャンケンをして下サイ」 僕はリョクとジャンケンを、メツはソウとジャンケンをして、リョクとソウが勝った。 「勝った人は来て下サイ」 係の人について行く二人を見送って、ジャンケンに負けた僕達はボケーッと城へ入るための入り口前で寛いでいた。 そこへゲートの所にいた、あの男がやって来た。 「あ、負けたディスか?えーと・・推古=レキ様」 「何で僕の名前・・・」 「アナタは有名ディスよ。でも、このゲームはジャンケンに勝ったものだけが参加出来る生と死を掛けたゲームなのディスよ」 男の言葉を聞いた僕とソウは、はっとしてジャンケンに勝った者が進んで行った城の入り口を見た。 すると男は、 「本当は違法ディスけど、行くディスか?」 と言った。 「無論」 「当たり前ってゆ~かぁ」 僕とソウは小さく頷いた。 「では、ワタシが叫ぶのと同時に城へ護るために設置されているゲートを破壊して走って下さいディス」 頷いた僕を見て、男は 「違法者ディス!!!!!!!!捕まえるディス―――――!!!!!!」 大声で男が叫ぶと同時に、ソウが攻撃詞を謳って城を護るゲートを破壊して追いかけてくる奴等を僕が牽制しながら走って行く。 そんな僕達を追うのは、ジャンケンに負けた者ではなくこの国の人間。 つまり、あの男の仲間。 急いで走る僕達は、いつしか後ろなど気にせず前だけを見据えて走っていた。 「お気をつけて・・・・ディス」 そんな声が聞こえた気がした。 |