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僕が鬼ねぇ・・・。
鬼・・・鬼・・・鬼・・・鬼・・・鬼・・・・・鬼ぃっ!!!
夢追い人が何の職業なのか、よく考えれば良かったんだよね。
安易な考えで何事も決めちゃいけないんだよね。
あぁー・・本当に二年前の僕を恨むよ。
「何してるのさ」ってカンジで。
はあ。
溜息が止まらないし、さっきから母さんがソファに座って雑誌読みながら「幸せにーげるー」とか何とか言ってるし。
それを言われると更に溜息をつきたくなるから止めてー・・。
でも夢追い人が二人一組だって事は、リョクを巻き込む事になるのかな。
でも別にリョクじゃなくてもいいって事だよね。
それなら誰を選べばいい・・?
選び放題なら選び放題だけど、やっぱりリョクがいいしなあ・・・。
慣れてるっていうのもあるけど、あの馬鹿がいないと旅ってカンジがしないし。
うーん・・。
どうしようかなあ。
「フレイア~」
「おかえりなさぁ~ぃ、ロキさぁ~ん」
ロキとリョクがバルコニーからリビングに帰ってきた。
リョクはロキの後ろに隠れて何かもぞもぞしてる。
でもロキは、すぐにリビングへ入って母さんと何か話してる。
隠れる所を失ったリョクは、僕の前に立つ。
そしてリョクは、ぼんやりとしている僕の頬を叩いた。
それはロキや母さんの視線をこちらへ向かせる事となった。
僕は叩かれた頬を片手で抑えて、リョクへ向き直り、立ち上がる。
「何か用?」
「返すな!!!」
リョクは、握っていたネックレスを僕の首へ掛ける。
リョクが願いを込めてくれたそれが僕の元へ返される。
「大・・・嫌いとか・・嘘だし、オレ・・アレになっても別にいいし・・・」
アレっていうのは、夢追い人の事だろうと思う。
僕は母さん達に席を外してくれる様に目で合図すると、二人は早々とリビングから出て行ってくれた。
「ロキから全部聞いたんだよね?」
「・・おう」
立ち上がっていた僕は、床に腰を下ろす。
その隣へ座る様に促すと、リョクは少し距離を置いて座った。
「なら聞くけど、殺せるんだね?」
「出来ないかもしれないけど、レキを・・・」
僕を?
「レキを守れる様に・・する・・」
顔を真っ赤にして言うリョクを視界の端で見て、僕は溜息をついて空を見上げた。
「守らなくていいよ」
「なっ!!!」
リョクは僕の発言がどうにも気に喰わないらしい。
「人間殺せないキミは、僕の無事でも祈っておいてよ」
「オレだって殺せる!!!!」
「何を?」
「う・・」
空を見上げるのに疲れた僕はリョクへ視線を向けた。
リョクも僕を見る。
「でも本当にいいんだね・・・夢追い人になるって事で」
「覚悟はある!!!」
「なら話は早いね、ロキ!!」
僕は座ったままでロキを呼ぶ。
僕に呼ばれたロキは、ノートパソコンを持って僕達の所へ来る。
そして今度は母さんを呼んで、リョクを母さんの所へ行かせる。
「母さん、頼むよ」
「任せて!!可愛くしちゃうから!!」
母さんはリョクの腕を引いて二階へ行く。
でも可愛くしても無意味なんだけど・・・まあ、いっか。
そして僕はロキが持ってきたノートパソコンを覗き見る。
その画面にはセントラル国を中心とした地図。
その地図に浮かび上がる赤と青と黒の星。
この地図は「夢追い人」と「夢喰い人」が行う【かくれんぼ】の地図。
赤の星は、夢追い人の場所を示す。
黒の星は、夢喰い人の場所を示す。
青の星は、夢追い人になるであろう者の場所を示す。
今のところ、赤の星はひとつだけ。
黒の星は、かなり多い。
それと同様に青の星も多いけど・・そこまでじゃない。
僕は自分のノートパソコンにその地図を転送してもらう。
それがちょうど終わりに近づいた頃、母さんとリョクが戻ってきた。
リョクは、夏らしい格好をしてる。
半袖の柄シャツの下に黒のタンクトップを着て、ジーパンを穿いて三本くらいのベルトを付けてる。
靴は、僕みたいな厚底のブーツじゃなくて普通の運動靴。
あ、弁解しておくけど運動靴は白じゃないよ!!
にしても前よりジャラジャラしたものがっ・・・。
僕とロキは、リョクの服を見て同時に
「「ウザそう・・・・・」」
と言った。
すると母さんとリョクはそれに対抗する様に何やら語りだした。
それに溜息をついて僕とロキは庭へ出る。
リビングでは母さんとリョクが服の美意識について話してる。
僕とロキは庭で旅の準備をする。

夢追い人が鬼だろうが何だろうが、僕は僕でいる。
それが今の僕の答えだと思う。


【夢追い人 第十二話 鬼 End】
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医者に「完治するまで安静するように」と言われてから今日で五日目。
それで今さっき、医者から完治したから動いてもいい。と通告されてちょっと嬉しい。
やっとまともに動いてもいいと言われたから。
この五日間、ずっと家の中でゴロゴロしてたからね。
そして動けるようになった僕は、庭先で楽しそうに二匹の犬と遊んでる阿呆リョクを見てる。
何でかって?
何で女の子なのにあんなに身長が伸びるのかなぁ・・・って思ってね。
でもリョクの場合、栄養が骨にだけいったんだろうなあ・・。
そういう面では、男としてちょっと淋しいものがあるよね―・・何て目で見てると、リョクが僕に
「チービ」
と言った。
それは禁句。
これでも結構それは気にしてるからね・・・?
僕はバルコニーから庭へ降りて、庭の端へ歩く。
そこには、スプリンクラーのスイッチがある。
それを勝手にいじって、ONにする。
そしてその近くにある水道の蛇口にホースを繋げて、その先を突っ立ってるリョクの顔面目掛けて水を噴射させた。
水は見事に顔面に直撃した。
水に濡れた顔のまま、リョクは更に僕へ言う。
「バーカバーカ」
誰が馬鹿だっていうのかな?
僕はホースを持って、リョクへ歩み寄る。
もちろんホースからは水が流れてるけど、その水をリョクへ向ける。
するとリョクは、平然とした顔でいるから、僕は言う。
「確かに僕は身長が低いけど、馬鹿じゃないんですけどねえ・・・?」
少し怒りながら言う僕に、気圧されたのかリョクが一歩下がってボソッと言う。
「チビなのは認めるんだ・・・」
僕は何かが切れる様なそんなカンジを自分自身から感じた。
次の瞬間、
「誰がチビじゃあああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
多分切れたのは理性。
もしくはプライド。
「脱がすぞテメェ!!!!!!!!!!!!!!!!」
「いっ、いやっ、いやだああああああああああああっ!!!!!!!!!!」
リョクはホース持って追いかける僕から逃げて、僕は逃げるリョクを追いかける。
無論、追いかける理由は―――・・・脱がすから?
いや、それはないけど、制裁くらいは、ね。
っていうか、追いかけながら気づいたけど・・僕本当に小さい・・。
自分で言って悲しくなるけどさ、本当に。
そして結局リョクは僕に捕まって、罰ゲーム。
内容は、執事さんと十分話すこと。
執事さんは、用件しか話さないから十分も喋るとなると相当な苦労。
僕でも執事さんと頑張って話しても、最高で五分だったし。
そういえば、執事さんの名前知らないなあ・・。

なぁにが、罰ゲームだっつんだよ。
しかもその内容が「執事と十分間話すこと」だとぉ?
あんまりオレを嘗めんなよ?
そんな罰ゲーム、簡単にこなすっつの!!
そう考えながらリビングで休憩してる執事に近づく。
執事は、素早くオレの気配を察知して、オレを見た。
「何か御用でしょうか」
「アンタと話したいな~って」
「そうですか。何を話せば宜しいでしょうか」
さすが執事なだけあって、必要な事しか述べないんだなあ。
にしても何を話せばって・・・・・考えられねえっ!!!
レキとなら普通に話せる話題とかあるけど・・・それはレキなわけで・・・って何考えてんだオレッ!!!!!!
執事はオレが何かを話すまで多分待ってるんだろうなあ。
そのためにも早いとこ考えなきゃなんねーんだろうけど、何も出てこねぇっ!!!
まさかレキはこうなると分かってて、これを罰ゲームにしたのか!!!?
うわ・・最悪。
でもそれを言いたくても、執事の所へ行く前に
「見張ってるからね~」って釘さされたしな。
むむむ。
あ、そうだ!
「あの、名前何なんですか?」
これだろ!!
オレは執事が口を開くのを待つ。
執事は、とても言いずらそうな顔をしてやがる。
名前を言うのって、そんなに嫌なもんか?
オレだったら普通に「仁義=リョク!!!!」っていえるけど。
「・・・私めの名前を分かりたいですか」
「ほら、執事ー・・なんて呼びにくいしさ!」
そうオレが言うと、執事は立ち上がり庭でパソコンを弄ってるレキの方へ歩いていく。
その後をオレが追いかけると、執事は目に見えない速さでレキの左隣へ立っていた。
レキは執事を見たけど、すぐにパソコンの画面に目を向ける。
執事はパソコンに夢中のレキへ
「レキ様、貴方は私といつ出逢ったか覚えていますか?」
言葉を掛けた。
「んー・・僕が十歳の時だっけ?」
「はい。私めは、レキ様のおじい様の左を守らせて頂いておりました者です」
「へぇ・・・・ってええええええええええええええええっ!!!!!!!!!!!!!?」
ん?
レキがパソコンの画面から目を離して執事を見た。
あ、ラッキー♪
オレの罰ゲーム無くなりそうじゃん。
にしても、レキはずっと執事を見て吃驚した顔をしてるよなあ・・。
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