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  <title>LAMENT</title>
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    <title>NO TITLE</title>
    <description>
    <![CDATA[書き直し中です。<br />
気が向いたら、文章体が変わっているかもしれません。<br />
<br />
<br />
Last Up! >>「Ep1 悪夢を視る者1」　2011.01.01]]>
    </description>
    <category>未選択</category>
    <link>http://slaughter.blog.shinobi.jp/%E6%9C%AA%E9%81%B8%E6%8A%9E/no%20title</link>
    <pubDate>Sat, 01 Jan 2011 13:57:13 GMT</pubDate>
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    <item>
    <title>Ep.12　鬼</title>
    <description>
    <![CDATA[エリア１０で大変な目に遭ってから二日が経過した。あの日エリア１０から戻ってきた僕たちは疲れ切っていたし、僕は僕で意識がほとんど無く、左足に負った傷が思ったより悪く、翌朝診察してもらった医者に「完治するまで自宅安静」と宣告された。ぼんやりと庭を眺めている視界の端にスズの姿が映った。<br />
「何か用ですか、スズさん。」<br />
「元気かなーと思って来ただけさ。」<br />
スズは僕の左隣に座って同じように庭を眺める。<br />
「リョクがレキなんか大嫌いだーって言ってたけど、アレどういう意味だと思う？」<br />
「さあ？　嫌いなら嫌いになればいいんじゃないの？　僕の知ったことじゃないよ。」<br />
スズは、はあ、と溜息をつく。<br />
「でも。リョクに渡してほしいものがあるから、届けてくれない？」<br />
僕がそう言うとスズの顔は途端に明るくなる。<br />
彼は、ユーラシア大陸にある「捜索屋」と呼ばれる組織の中でもトップクラスの一人だ。その彼に一人の人間を捜し出すことなど意図も簡単な事だが、それでも嬉しそうに引き受けてくれた。<br />
「渡すものは、コレ。」<br />
僕は首から下げていたネックレスをスズへ渡す。彼は僕の家を後にし、僕はまた庭をぼんやりと眺める。そこへロキがお菓子を頬張りながらやってきた。<br />
「ねえ、ロキ？」<br />
「何だ？」<br />
ロキはお菓子が入っている器を僕と自分の間に置く。<br />
「僕は特に何も考えず「夢追い人」になった。でも本当の意味での「夢追い人」を知らない。この際だから教えて欲しいんだ。」<br />
庭を眺める目をロキへ向ける僕に彼は少し考えつつゆっくり話し始めた。<br />
「「夢追い人」は、今ある世界を破壊して新しい世界を創造しようと動いている「夢喰い人」を止められる唯一の存在だ。そして「夢喰い人」は「夢追い人」を自分たちを追いかけることから、「鬼」と称した。それがお前だ。」<br />
ロキは庭を眺めて言い、もう一つを言いかけようとして、それを母さんが止めた。<br />
「「夢追い人」は今世界に四人だけいるの。だけどそれだけじゃ「夢喰い人」を止める事はできなくて、母さん達は、レキ、貴方に何も教えずに「夢追い人」として歩く道を選ばせてしまったのよ。そして、一度「夢追い人」となった者は、全ての「夢喰い人」を殺すまで「鬼」という存在の放棄を認められない。」<br />
母さんの声は、いつもより何十倍もの重みがあったけど、全部を言い終えると、いつもと寸分違わない表情でニッコリと微笑んだ。ロキは僕の隣でお菓子をただ静かに食べ、僕はぼんやりと庭を眺めていた。<br />
<br />
<br />
レキはいつも、いつだって一人で悩んだり考えたりして、オレには何も相談してくれない。<br />
オレは馬鹿で要領も悪いけど、話を聞いたりなら出来る。<br />
セントラルに来て、レキは忙しそうだった反面オレは普段とそう変わりなかったけど、セントラルはオレよりずっと有名な人間が多くて、余計に一人ぼっちに感じた。<br />
「仁義＝リョク！」<br />
道を歩いていたオレを誰かが唐突に呼び、振り返ると楽観＝スズがそこにいた。コイツは、レキによく似てて、初めて見た時レキと間違って、オレは酷く怒られたっけ。<br />
「レキから預かりもの！」<br />
スズはそう言ってオレにネックレスを渡した。それは昔オレがレキに渡した物だった。<br />
「アイツ、何か言ってたか？」<br />
少し俯き加減で言うオレに対してスズは<br />
「さあ？　嫌いなら嫌いになればいいんじゃないの？　僕の知ったことじゃないよ。だってさ。」<br />
嫌い･･･かよ。<br />
「あ。そういえばリョクって夢追い人じゃないんだよね？」<br />
何だ、突然。<br />
「ああ。オレは魔剣士だからな。」<br />
スズはオレの顔をまじまじと見る。ちょっと身を引くオレに彼は、<br />
「それならリョクは選ばないといけないね。じゃあ、ボクは別の仕事があるからー！」<br />
少しだけ低く落としたトーンの声で言って足早にオレの前から姿を消した。<br />
「選ばないといけない」という言葉にオレは引っかかった。オレはレキと一緒に旅をしてただけで、レキと違って夢追い人じゃない、ただの魔剣士だ。レキに会うよりも、こういう時は･･･。<br />
「俺が適任だろ？」<br />
まぶしいばかりの笑顔を周りにまき散らしているロキが突如目の前に現れた。そしてオレの手を引き広場へと歩いてゆき、適当なベンチに腰を掛ける。隣に座る彼の顔は「何があった？」という顔だ。<br />
「スズが言ってたんだ。オレは何かを選ばないといけないって。」<br />
オレ自身、自分で口に出した言葉の意味が何を含んでいるのか分からない。すると彼はゆっくりと話し始めた。<br />
「世界で最も有名な殺し屋当主レキの今の職業は、夢追い人。この職業は、この世界を破壊し、新たな世界を創造しようとしている「夢喰い人」を止められる唯一の存在だ。お前にも分かるように言えば、夢喰い人と夢追い人は、遊びで言う「おにごっこ」に似たものをしていて、その鬼が「夢追い人」にあたる。分かるか？」<br />
一度首を縦に振るオレに、ロキは続ける。<br />
「夢追い人は、今この世界に４人だけだ。そして、夢喰い人と戦う為に必要な特殊な能力、また戦闘スキルそれを持っているレキは相応に戦えるだろう。だが、その背中を守ってやれる奴はいない。そういうことだ。」<br />
ロキは一呼吸置いて、こちらを向く。オレは足元を見たまま微動だにしない。<br />
「ちなみに、一度「夢追い人」になったら全ての「夢喰い人」を殺すまで鬼をやめられないからな。」<br />
彼は話すべきことは全部話したぞ、と言って広場で遊ぶ子どもたちを見ている。オレは･･･オレみたいな奴がレキの背中を守れるはずなんてない。それは、オレが人を、人間を殺す事を極端に嫌うからで。<br />
それでも―･･･。<br />
「あ、なあ、それってレキのじゃねえのか？」<br />
オレが握り締めていたネックレスを差して彼が言った。ネックレスに太陽の光が当たって綺麗に光る。<br />
「昔オレがアイツにあげたんだ。旅で命を落さないように祈りを込めて･･･。」<br />
「そっか。」と言ったロキの顔はいつもより少し優しくみえた。<br />
そうだ。オレはレキが命を落さない様にずっと傍にいるって決めてたんだ。そしてオレは立ち上がってロキの腕を思い切り引っ張った。<br />
「帰るぞ！」<br />
彼は苦笑交じりに「はいはい。」と言って、オレ達は家へ向かって歩き出した。 ]]>
    </description>
    <category>Ep.12</category>
    <link>http://slaughter.blog.shinobi.jp/ep.12/ep.12%E3%80%80%E9%AC%BC</link>
    <pubDate>Sun, 31 May 2009 15:36:07 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">slaughter.blog.shinobi.jp://entry/48</guid>
  </item>
    <item>
    <title>Ep.07　依頼</title>
    <description>
    <![CDATA[徐々に、セントラル国という国に近づいているせいか訪れる国の道が綺麗に整備されている。<br />
そして僕を置いてさっさと走って行ったリョクが、今まさに入ろうと試みている国の入口ゲートで警察官と揉めている。<br />
そこへ介入のため間に入った僕を二人は見る。<br />
リョクは「何だよ」という相変わらずな表情をして、警察官は僕の姿を見てハッとした表情をし、敬礼した。<br />
「お久しぶりであります!　本日はどういったご用件で本国の方へ?」<br />
「えっと･･･」<br />
僕はチラ、とリョクを見て<br />
「休暇中だから通してくれる?」<br />
「畏まりました!」<br />
警察官はそう言ってゲートを開ける。<br />
リョクは自分のバイクを手で押して先に入ろうとして、それを僕は止めた。<br />
「ねえ」<br />
「なんでしょうか?」<br />
「バイクなんだけど、セントラル方面の出口ゲートに運んでおいてくれないかな」<br />
「畏まりました。丁重にお運びしておきます。いってらっしゃいませ!」<br />
警察官に別れを告げ、僕たちはユートラル国に足を踏み入れた。<br />
ゲート内に広がる街は活気に満ち溢れ、道を行き交う人々が僕たち二人を見て、<br />
「レキ様だ!」<br />
「レキ様が来ているぞ!」<br />
と口々に言いながら、集まってくる。<br />
どうしようか、と考えている矢先、リョクが僕の腕を強く引き、適当な路地に逃げ込んだ。<br />
その路地は嫌が応にも懐かしすぎる道で、どこへ向かう道なのか僕は理解してしまった。<br />
リョクはこの国に初めて訪れたはずなのに、どうしてこの道を選んだのか、と聞けば「野性的感覚」と返してくる。<br />
そうして僕たちは、いや、僕の腕をひいているリョクはひとつのビルに入った。<br />
ピタ、と足を止める僕をリョクは見る。<br />
その僕は、腰に吊るしたホルスターから二二口径自動式銃「雪の人」を素早く抜き、肩から下げている小さなショルダー型バックから赤外線付き暗視ゴーグルを装着する。<br />
「お前･･･何･･･」<br />
リョクが何か言いかけようとしたのとほぼ同時に照明の電源が落とされた。<br />
「いっ･･･いやだああああああああああああああっ!!!」<br />
「叫ぶな、馬鹿」<br />
と言って僕はリョクにもゴーグルを着けさせる。<br />
「おおー!」<br />
辺りが見えるようになったリョクは多少喜びながら自分の武器「水神」に手をかける。<br />
「一歩も動くなよ、リョク」<br />
「了解!」<br />
その返事を聞いて僕は、一番近くにあるエレベーターに乗り込んだ。<br />
そのエレベーターの中に同じようなゴーグルをつけている男が二人乗り込んでいて、扉が閉まると僕を捕まえようと迫ってきたから、適当に一発ずつ急所へ蹴りを入れて気絶させておいた。<br />
エレベーターは最上階まで僕を連れてゆく。<br />
その最上階も同じように照明はついていない。<br />
でもそこにいる相手が誰なのか分かる。<br />
「レキッ!」<br />
暗闇の中で立つ一人の青年が名前を呼んで飛びつこうとしたので、それを軽い身のこなしで避け、適当な机の上に乗った。<br />
「久しぶりだね、ユートラル国、国防連合軍警察庁総司令官、明誓＝シェル」<br />
そう言うと照明の電源は入れられ、部屋と相手、僕の姿は明るみにされた。<br />
オレンジ色の髪と目が印象的な青年は僕を捕えられなかったことで悔しげな顔をしている。<br />
そこへ一歩も動くな、と言っておいたはずのリョクがやってきて、その彼女を見てシェルは目を見開いた。<br />
「どうしてお前がーーー」<br />
頭の上にクエスチョンマークを浮かべているリョクをよそに、<br />
「コイツは仁義＝リョクだよ、シェル。リョク、お前の前に立ってるのは超絶変態野郎の明誓＝シェルだからこっちにおいで」<br />
僕はそう言い、リョクを自分の傍に来させる。<br />
そこへまた一人、金髪碧眼の女性がやってきた。<br />
「失礼します、総司令。お客様です」<br />
「通せ」<br />
警察官の制服を着ている女性の後ろからチビッ子が二人タタッとこちらへ走ってきた。<br />
チビッ子は僕たちの前で足をとめ、<br />
「剛強＝セナ!　疾戦＝エナ!　ただいま参上っ☆」<br />
口を揃えて言った。<br />
参加型小国を出てからこの双子は僕たちの後をどうやらつけていたらしい。<br />
そうでないと、この場所へ来たりしないだろう。<br />
「総司令、推古＝レキ様と少しばかりお話をさせて頂きたいのですが、よろしいでしょうか?」<br />
「ああ。構わん」<br />
シェルは総司令官らしい口ぶりで言う。<br />
「それから総司令、私が彼とお話をしている間に客人をセントラル国へ。推古＝レキ様のお連れの方を本国の観光へ。お願いします」<br />
「･･･分かった」<br />
少し嫌そうにシェルは言い、僕は部屋を後にする彼女の後ついて歩き、足を止めた時、そこには両開きの巨大なドアがあった。<br />
そのドアを開き、足を踏み入れた部屋の目の前には、ユートラル国が一望できる窓が広がっていた。<br />
そして彼女が自らの名前を名乗る。<br />
「申し遅れました。私の名前は神道＝リライトと申します」<br />
女性でリライト、という名前は珍しいな･･･と思っている僕へ、リライトさんは僕を窓の近くまで来るよう手招きした。<br />
「本日、私が貴方と此処でお話をさせて頂かせてもらったのは、他でもない。仕事の依頼なのですが･･･よろしいでしょうか?」<br />
仕事。<br />
そう聞いて僕は一つ返事で首を縦に振った。<br />
「先日、夢喰い人と呼ばれる集団の末端が本国及びケーストルア国に侵入しました。その者達の駆除をお願いしたいのです」<br />
ここでひとつ補足をしよう。<br />
僕たちの世界には、世界最大規模を誇り政治経済界の頂点に君臨するセントラル国というのがある。<br />
そのセントラル国を守るように東西南北に四天王国と呼ばれた国がある。<br />
その国々を人々は、「東のユートラル」「西のファーイレル」「北のワァールアイズ」「南のケーストルア」と言う。<br />
「夢喰い人か･･･やりがいがあるよ」<br />
「そう言われると思っていましたので、仕事用の服を郵送していただいておきました。着替えて頂けますか?」<br />
「うん。それじゃないと仕事してる時は違和感あるし。貸して」<br />
あっさりとそれでいて冷たく言う僕は彼女から服を受け取り、今着ている服を無造作に脱ぎ、着替え始めると彼女は僕に背を向けた。<br />
「あ、そうそう。僕と一緒にいた奴なんだけど･･･」<br />
「その方でしたら、私の部下と一緒に観光をしておられるそうです。私の部下は命令に忠実な者なので心配せずとも大丈夫です」<br />
「そう。ありがとう」<br />
「いいえ。当然のことです」<br />
彼女がそう言ったのと同じくらいに僕も服を着替え、元々着ていた服を鞄に詰め込み、真新しい自分の服装に目をやり、僕たちはその部屋を後にし、ビルの外へ来た。<br />
そこには僕のバイクが置かれていて、いつものようにヘルメットとゴーグルをつけ、エンジンをかける。<br />
「ご武運お祈りしています」<br />
「ありがと」<br />
こうして僕はケーストルア国へ急いだ。<br />
<br />
<br />
<br />
<div style="text-align:right"><span style="color:#FF0000">[第七話　依頼　End]</span></div>]]>
    </description>
    <category>Ep.07</category>
    <link>http://slaughter.blog.shinobi.jp/ep.07/ep.07%E3%80%80%E4%BE%9D%E9%A0%BC</link>
    <pubDate>Mon, 07 Apr 2008 11:32:44 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>第二十五話　貪欲な愛情②</title>
    <description>
    <![CDATA[レキの声をしたり、ソウだった頃の声をしたり、ファリエルの声をしたりする奴なんて消えてしまえばいい。<br />
オレには邪魔だ。なあ、お前もそう思うだろ、サラ。<br />
『ええそうね』<br />
「誰と喋っているのですか、仁義＝リョク」<br />
五月蝿い。<br />
『貴女を死後の世界へ連れて行ってあげるわ』<br />
オレの体に乗り移ったサラの意思がオレの体を使って、目の前にいる相手を威嚇する。ファリエルはオレがオレではない事に気づき、相手をティムへ変えたけど、人格が変わったオレは尋常ではない動きでファリエルを捕え、扉を開けた。轟々と風が扉の向こう側の世界へと吸い込まれてゆく。<br />
地面に座るレキが楽しそうに何かを喋ると、オレとティムが懸命に相手していた奴等全てが吸い込まれて行き、扉は閉まり消え、サラもオレから消えていった。オレに戻ったオレと、ティム、メツが一人の人間を囲む。<br />
<br />
<br />
逃げ場など与えないために俺は、ファリエルを囲む俺とリョク、ティムが立つ小さなこの場所だけに結界を貼る。その結界は吟遊詩人、神威のみが使えるものであり、どんなに優秀な魔術士も魔導師も破る事は出来ない。<br />
唯一出来るとしたら結界外にいるレキが使うあの声ぐらいだ。<br />
リョクが二刀の日本刀の刃を炎と水に変化させ、ティムは銀に煌く剣を構え、俺は金色に輝く左目を中央にいる相手へ向けた。<br />
「終焉まで生きる事が勤めの私を殺せるなら殺してみるがいい!」<br />
その挑発にまずティムが乗り、反対側に立っているリョクが魔剣でファリエルの肉体に致命傷を与える。<br />
炎に変わった刃が肉体へずぶりと食い込み、水から氷へと刃を変えたもう一方の日本刀の刃がファリエルの体を真っ二つに割った。<br />
役目を終えたリョクは結界の外へ向かって逃げようとするが、出る事は叶わず、外にいるレキに何とか出してもらい、武器をその場に投げ捨てレキに縋るように泣いていた。<br />
二つの生物へ変化した相手の下半身をティムが細かく切っていく。人間の様で人間ではないこの生物の命は、身体を引き裂かれた今でも途切れる事はないらしい。<br />
「破＝メツ」<br />
「何だ」<br />
上半身が声を漏らした。<br />
「呪＝ソウになった後のアタシは貴方を本当に愛していたのよぉ」<br />
下半身を粉々にしたティムは血塗られたその剣を上半身の方へ持ってきて、砕き始めた。少しずつ無くなっていく体に何も思わないのか、このファリエルという名前の人間だった者は。<br />
「良い事を教えてあげるわぁ、メツ」<br />
「利益が得られるなら聞いてやる」<br />
ティムに一旦手を止めさせる。<br />
「アタシみたいな奴は世界中にゴロゴロいるわぁ。アタシは一番最初だから他の奴等と少し違うけど、アタシ達は人間が一番叶えたいと思ってる夢を奪い取りそれを栄養にして人間の姿へ戻るのぉ」<br />
それが事実なのか確証は出来ないが、礼だけは心の中だけで言っておこう。<br />
「言う事はそれだけか」<br />
「メツ、貴方を本当に愛して　　　　　　　　　　　　　」<br />
全てを言い終える前にファリエルの体は爆発した。結界の内部に血飛沫が飛び散り、収まるとそこには何もなかった。誰かがそこに居た事や、飛び散ったはずの血も粉々に砕かれた肉体の一部も無くなっていた。<br />
結界を外した俺は地面に座り込んだ。慌ててティムが俺の傍へ寄った。そしてティムの右目を見て驚いた。消えてしまったファリエルより少し濃い薄紫の瞳だったその両目のうち右目だけが俺と同じ金色に光っているから。<br />
「メツさん?」<br />
ファリエル、お前は俺を殺したいほど愛してたのか。<br />
「貪欲な愛情は幸せを招き入れない。だから間違っちゃいけませんよ」<br />
以前会った同職業者が言っていた言葉を思い出して俺は息を吐いた。安息にも嘆息にもほど遠く。<br />
「ティム」<br />
「何ですか?」<br />
「俺の相棒になってくれないか?」<br />
「いいですよ」<br />
「簡潔だな」<br />
「右目が疼いて仕方ないからです」<br />
雪中花＝ファリエルが水花＝ティムへ呪いを掛けたのかどうかは知らないが、一応礼を言っておこう。俺は左目を元へ戻し、ティムの右目を左手で覆い、すぐに離すと瞳の色は元に戻り、立ち上がった俺はレキに縋るリョクをティムに預け、レキを担ぐ。<br />
「うわあっ!」<br />
「お前らバイクだったか」<br />
「そうだけど･･･。あ、売らないでね」<br />
レキを担ぐ俺の前をティムはリョクの手を引っ張って楽しそうに歩いていく。<br />
「なら誰かに預けるぐらい出来ないか?」<br />
「交通の手段が無くなるんだけど」<br />
「車に乗ってもらう。それにお前車も運転出来るだろうが」<br />
「じゃあ新しい車を買おうよ、四人分の荷物をちゃんと詰めれて、ちゃんと座れる車」<br />
黙る俺にレキはまた言う。<br />
「支払いは僕がするからさ」<br />
「分かった」<br />
俺が言うとレキは痛む体を労わりつつ笑い、つられて苦笑した。<br />
「あ、ねえメツ」<br />
「何だ」<br />
「実際の所、ソウ････じゃなくてファリエルの事は好きだったの?」<br />
「さあな」<br />
「ふうん」<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
好きだったんじゃねえし、愛してたわけでもねえよ。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
ただあの人間性に惹かれてただけだ。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<div style="text-align:right"><strong><span style="color:#FF0000">二十五話　ＥＮＤ</span></strong></div>]]>
    </description>
    <category>Ep.25</category>
    <link>http://slaughter.blog.shinobi.jp/ep.25/%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E5%8D%81%E4%BA%94%E8%A9%B1%E3%80%80%E8%B2%AA%E6%AC%B2%E3%81%AA%E6%84%9B%E6%83%85%E2%91%A1</link>
    <pubDate>Sat, 19 May 2007 05:02:37 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">slaughter.blog.shinobi.jp://entry/91</guid>
  </item>
    <item>
    <title>第二十五話　貪欲な愛情</title>
    <description>
    <![CDATA[面倒事になる前に殺しておけば良かったんだろう。あの時の俺の判断が鈍ったのは事実だ。今更過去を悔いても意味なんて無い。相手は人間じゃない。分かっているはずなのにどうして行動を起こせない。<br />
相手は的確な判断で俺の命を狙っているのに。リョクやティムは雑魚の相手を必死にしているのに。<br />
俺はまた判断を鈍らせているのか。吟遊詩人　神威の名が廃りそうだな。<br />
「ちょっとぉ、メッツゥ～。アタシ、愛してるのにぃっ～!」<br />
お前は人間に戻れただけの人間の屑だ。そんな奴はこの世界に必要ない。<br />
消えろ。俺はお前の様な奴等が嫌いだ。<br />
「わりぃな、俺はお前を愛せない」<br />
「あぁんっ!　いけずぅ～!」<br />
そうやって喋っていられるのも今のうちだ。お前の仕掛けてくるその腕の先端に、体全身を痺れさせる毒が塗られてるのは知ってるから、その腕を削ぎ落としてしまえば意味なんてない。<br />
でもどうしてくれようか、生憎俺は武器を持ってない。お前如きにヴァイオリンを使うのは勿体無い。<br />
レキは毒に当てられて身動きを取れないだろう。いや、動けるか。アイツも俺と同じなら動けるはずだ。相手から飛び退いた俺は、地面に座って俺を見ていたらしいレキを無理に立ち上がらせる。フラフラと俺の方へ傾くレキは、ごもりながら<br />
「自分に命令したら動けるかもしれない。失敗したら一人で頑張ってよ」<br />
そう言ってくれた。するとレキは小さな声で自分に命令を下し、しっかりと地面に足をつけ、腰に吊るしたホルスターから銃を抜き、俺から離れた。<br />
「レキ」<br />
呼び声に反応しないレキの瞳に生気は無かった。倒す相手だけを見ている。あの馬鹿野郎!　ガキはガキなだけか!!　俺は銃口を相手へ向けているレキを地面に押さえつけ、<br />
「やっぱりお前に頼むのは止めだ。ガキは黙って大人しくそこにいるんだな」<br />
レキの呪縛は解け、俺はレキから離れ、向かうべく相手を見た。呑気に笑ってやがる相手を殺す。失敗の無いように。<br />
「頑張りなよ、メツ」<br />
地面に座るレキが声を掛けた瞬間、俺が回りに張っていた結界という一種の障壁にファリエルの腕が激突した。<br />
結界のお陰で俺は事なきを得たが、腕がレキへ行く手を変えた。レキの能力に障壁なんて文字は無い。瞬時慌てた俺をレキは笑った。<br />
「こんな事になるのは慣れてるんだ」という表情をして。<br />
レキの顔面で腕は止まった。腕はベキベキと音を立てながら内側から破裂した。レキの声が腕よりも速かっただけか。<br />
ファリエルは両腕を失い地面に崩れ悶えている。<br />
実に見苦しい光景を俺は見下ろし、足元にあった一本の剣を手にした。<br />
剣なんてもの使った事は無い。吟遊詩人は剣を使わない変わりに楽器や声を武器にする。<br />
「私を殺せば呪いがお前を苦しめるぞ･･･!」<br />
「別に構わねえよ。一度はお前を殺し損ねた男だ。そのくらいの覚悟はある」<br />
俺は剣の刃をファリエルの頭の上に翳し、勢いよく刃を落とし、目を疑った。いたはずの相手がいない。<br />
「これぐらいで死ぬとでも思っているのですか」<br />
死ぬ直前まで行った相手は俺の背後へ回り込んでいたらしい。<br />
そして俺へ攻撃せず、レキにも攻撃をせず、リョクがいる方向へ飛んだ。<br />
「リョク、何してるの?　手間取ってるなら手伝ってあげようか?」<br />
「何だよレキ!　別に手間取ってるわけじゃ、な　　　　　　」<br />
<br />
<br />
<br />
レ、キ、じゃ、な、い。<br />
後ろに振り向けない。誰だよ、こんな気配の奴。いくらレキが怖くてもこんな気配じゃない。アイツは怖いとかじゃなくて、殺し屋だから、もっとこう･･･殺意がある気配だから、コイツは違う。<br />
でも今ここで戦う手を止めたら前にいる気持ち悪い奴等に何されるか分かんねえし、後ろ向いたら向いたで怖いし。<br />
どどどどどうしたらいいんだ!!!<br />
「リョク!　サラを呼ぶんだ!!!」<br />
おおっ!　本物のレキの声だ。<br />
オレは人間の耳には聞き取れない言葉を紡いでゆき、気力を失いつつ、後ろへ振り向いた。]]>
    </description>
    <category>Ep.25</category>
    <link>http://slaughter.blog.shinobi.jp/ep.25/%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E5%8D%81%E4%BA%94%E8%A9%B1%E3%80%80%E8%B2%AA%E6%AC%B2%E3%81%AA%E6%84%9B%E6%83%85</link>
    <pubDate>Sat, 19 May 2007 04:58:59 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">slaughter.blog.shinobi.jp://entry/90</guid>
  </item>
    <item>
    <title>第二十四話　特殊能力④</title>
    <description>
    <![CDATA[妖艶に笑うファリエルは魔術を使いながら間合いを詰め、顔のすぐそばまでやってきて、また笑い、長く伸びた爪を僕の頬へ立て、ざくっと頬に傷を入れる。<br />
「抵抗しないのは殺して欲しいからですか、レキ」<br />
「抵抗しないのは意味が無いからだよ、ファリエル」<br />
ニィと笑う僕の右手には知らぬ間に一本の剣がある。その剣をガチャッと鳴らすとファリエルは驚いて後ろへ飛び退いた。<br />
「誰の武器ですか･･･!」<br />
「姉様が使っていた武器です!」<br />
「あの人間が使っていた武器ですか。それをレキへプレゼントとは以外ですよ、ティム」<br />
「だあれが、レキにプレゼントしますか!　貸しただけです!」<br />
ティムはそう言いながら僕を指差してる。それに苦笑いした僕は、武器の刃を相手へ差し向け、一気に加速する。<br />
<br />
<br />
<br />
「･･･!!」<br />
ごぽりと血が口から流れ出した。<br />
「私を殺そうとなんてするから自分の命を縮める事になるんですよ」<br />
右手から武器が落ち、僕の体は地面へと倒れていく。彼女の長く伸びた腕が僕の腹部を強く押した。それがただ強く押しただけなら血を吐いたりはしないはずなのに、どうして血を吐くはめになったのか分からない。<br />
薄れる視界を無理矢理止め、何とか身体を起こした僕の前にリョクが立ちはだかるメツと一緒に後ろに行ったはずのキミがどうして此処にいるの。<br />
「ガキは下がってろ。相手は俺じゃねえと不服だろ、ソウ!」<br />
「ふふっ･･････アタシでいいなら相手してあげるわぁ～んっ」<br />
バチバチと火花炸裂の場所を何とか離れると、リョクとティムが僕を守る様に左右に立った。<br />
視界に入った場所だけで、奇怪に蠢く何かがいる。それに気づいた二人はその方向へ武器を向け突っ走って行く。<br />
残された僕は地面に腰を下ろしてメツの背中を眺める。負傷した僕に動く事なんて出来ないしね。 ]]>
    </description>
    <category>Ep.24</category>
    <link>http://slaughter.blog.shinobi.jp/ep.24/%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%9B%9B%E8%A9%B1%E3%80%80%E7%89%B9%E6%AE%8A%E8%83%BD%E5%8A%9B%E2%91%A3</link>
    <pubDate>Sat, 19 May 2007 04:54:10 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>第二十四話　特殊能力③</title>
    <description>
    <![CDATA[オレは何をされた。オレは何のためにここへ来たんだっけ。<br />
夢追い人になって、夢を守るためだった。じゃあオレの夢って何だ。<br />
オレの夢は･･･。<br />
地面に横たわるオレの身体をファリエルが見下ろしてくる。何をするつもりなんだろう。<br />
「ちっぽけな夢ね。まあいいわ、その夢食べてあげる。でもその前に貴方を殺してあげるわ!!!」<br />
ファリエルはメツへ向いて動きを止めた。<br />
「久しぶりだなあ、テメェとコレで向き合ったのは」<br />
なんとか起き上がったオレは地面に座ったまま二人を見た。ファリエルは背中しか見えないけど、メツの顔が一瞬視界に入ってオレは驚いた。<br />
メツの目の色がいつもと違う。いつもは青緑色なのに、今だけは左目だけが金色になってる。<br />
「私は貴方の事本当に愛していたのに、貴方は違っていたですね」<br />
「途中から好きでいたかもしれねえぜ」<br />
そうメツが言った瞬間、ファリエルがオレの横を通り過ぎて逃げ出した。<br />
メツは溜息をついてオレの腕を引っ張って立ち上がらせてくれ、<br />
「雪中花＝ファリエル。偽名は呪＝ソウ。アイツは最初の犠牲者なだけだ。行くぞリョク」<br />
メツが言った事は、ファリエルを助ける事。でもそれはきっと残酷にも殺す事なんだと理解出来てしまった。だからオレはヴァイオリンを持つメツの後を追って、ティムが捕まっている現場へ着いた。息一つあげていないメツに疑問を抱きつつもティムを捕えている本人を見る。<br />
「メツさん････!」<br />
ティムは白く長く伸びた腕の中でギリギリと首を絞められている。そしてその腕はゆっくりとオレ達の方へも近づいて･･･<br />
「だから無駄だと言っただろう、ファリエル」<br />
メツの前でバチバチと青い火花を出し、べちゃっと地面へ落ちた。<br />
「面倒な能力者ですね。では後ろの方の命を頂きましょう」<br />
地面へ落ちた腕がずるずるとオレへ近づいてくる。メツは何もしてはくれないらしい。腕はオレの身体に巻き付いて来るけど、それをどんなに強い力でとろうしても離れないし、千切れない。<br />
や、ヤバイって!!!　マジでオレ死ぬって!!!<br />
<br />
＜根本から千切れればいい＞<br />
<br />
何処からともなくレキの声がして絡みつく腕がぶちりと細かく千切れてゆき、同じ様にティムも腕から解放され、痛みに蹲るファリエルの傍から彼女をメツが助けだし、<br />
「来んのが遅ぇんだよ」<br />
「五月蝿いな。ちょっと色々心の整理をつけに行ってたんだよ」<br />
オレの隣でレキが立ってる。おっ前、今までどこに行ってたつもりだよ!<br />
お陰でオレがどんな目に遭ったと!!<br />
「メツだって守ろうとはしてくれたんでしょ?」<br />
「一応な。でもお前みたいな事は無･････というか知ってたのか、俺の素性を」<br />
「僕を誰だと思ってるの?」<br />
メツはフッと笑い、ティムとオレを両脇に抱えレキの傍から少し離れた。<br />
「この辺で大丈夫か?」<br />
「多分ね。というかティムは持って行かないでよ」<br />
「そうですメツさん。私は一応レキさんの味方なんですから!」<br />
「あくまで一応なんだ」<br />
クスクス笑ってるレキの元へティムは行って、いつものオレの立ち位置に立って、レキを見る。レキは何も言わずに頷いて倒すべき相手を見た。<br />
「久しぶりね、推古＝レキ。そして水花＝ティム、今度こそ殺してあげるわ」]]>
    </description>
    <category>Ep.24</category>
    <link>http://slaughter.blog.shinobi.jp/ep.24/%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%9B%9B%E8%A9%B1%E3%80%80%E7%89%B9%E6%AE%8A%E8%83%BD%E5%8A%9B%E2%91%A2</link>
    <pubDate>Sat, 19 May 2007 04:53:03 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>第二十四話　特殊能力②</title>
    <description>
    <![CDATA[リョク達を逃がしたのは俺の一存だ。<br />
「メッツゥってばぁ、アタシの邪魔するのぉ～んっ?」<br />
魔術士専用の杖を握るソウに、俺はヴァイオリンの音を奏でていく。<br />
「そんな音でアタシをどうするっていうのぉ～?」<br />
「足止めにするだけだ。お前は俺の獲物だからな」<br />
「ふふっ････それってぇ、誰かに指図されたんだったっけぇ?　あっれぇ?　アタシってばぁ、何も覚えてないかもぉ～んっ」<br />
はぐらかす相手に俺は容赦はしない。ただこれがいつまで持つか分からない。相手がこの音に飽きればそれで終わり、この音に酔えばそれで終わり。どちらになるから分からない。<br />
「あぁんもうこの音やっだぁ～んっ。そ、れ、に、アタシってばこんな所で油売ってる暇ないしぃっ?」<br />
相手は転移魔術を唱え、消えた。その後を追うようにして俺も特別な言葉を唱えた。<br />
<br />
<br />
街へ出たのはいいけど、やみくもに逃げたって追いつかれるのが関の山。<br />
お、ちょっとオレ頭良さそうじゃん。<br />
「ちゃんと前見て歩いて下さいリョクさん!」<br />
「へ?　わりわり」<br />
「ところで今何処向かって走ってんの?」<br />
素朴な質問をするオレへティムは懸命に走りながら、<br />
「商店街で身を隠します」<br />
「そんな事をしてどうするつもりですか、ティム」<br />
走っていたオレ達の背後からソウ、じゃなくてファリエルの声が不意に聞こえた。かなり走って王家から離れたはずなのに、もう追いつかれたなんてありえない。でもここで逃げてもまた追いかけられるだろう･･･オレは魔剣「業火」を鞘から抜いて、ファリエルの方へ向く。<br />
「リョクさんではその人に勝てません!!」<br />
「メツが来るまでオレは戦う!　だからティムは逃げるんだ!」<br />
ティムはタッと走って行く。<br />
「ちょうど私も貴女と戦ってみたかったんです。でもその前に命頂くつもりですけど･･･♪」<br />
そう言ったファリエルは急速に間合いを詰め、杖の先端から水を噴射してくる。それを「業火」の炎の刃で防ぎながら、反魂士の言葉を紡いでゆく。一般市民を巻き込まないための防御策なだけではあるけど、それなりに何とかしてくれるだろう。<br />
冥界の扉がオレの背後に出現し、その扉が開き、水と炎が吸い込まれてゆき、余裕の表情をむけるファリエルの顔が見えた。<br />
「さすが反魂士ですね。けれどそれが私と戦うために必要なものとは到底思え･････もう来ましたか、メツ!!!」<br />
「悪ぃな、これでも神威なもんで」<br />
ファリエルはオレに背を向けて、向こう側にいるメツと話を始めた。それを好都合だと思ったオレは「業火」の刃をファリエルの背に勢いよく当て、胴体を引き裂こうと思ったのに、彼女の身体は何も変化しなかった。<br />
むしろ彼女の笑い声が薄れる視界の中で聞こえてくるだけになった。 ]]>
    </description>
    <category>Ep.24</category>
    <link>http://slaughter.blog.shinobi.jp/ep.24/%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%9B%9B%E8%A9%B1%E3%80%80%E7%89%B9%E6%AE%8A%E8%83%BD%E5%8A%9B%E2%91%A1</link>
    <pubDate>Sat, 19 May 2007 04:50:15 GMT</pubDate>
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    <item>
    <title>第二十四話　特殊能力</title>
    <description>
    <![CDATA[「推古＝レキ。彼の出生暦や幼少期は知りませんが、彼の噂なら聞き耳を立てずとも流れてくるものでした。数年前までは」<br />
首を傾げるオレにソウは話を続ける。<br />
「殺し屋の跡継ぎとして生まれた彼は、物心つく前から訓練をしていたそうです。普段はごく普通の少年として過ごす彼も、夜になれば顔を変え、クライアントから受けた仕事を完璧にこなす一人のプロとなります。そして彼は九歳という若さで父親の跡を継いだ。それがどれだけ素晴らしいものかと当時の王族達は思いました。そして彼の力量見たさに彼を自国へ招いたのです」<br />
一度息をついたソウは、場所を変えながら話をします。と言いオレを後に従えながら建物の中へ入る。<br />
「沢山の国を回りながら仕事を行う彼を王族達は褒め称え、様々な貢物を彼へ送りました。けれど彼はその全てをそれぞれの国へ返し、言ったのです。<br />
<br />
『貢物を送る前に自分の国の情勢どうにかしたら?』<br />
<br />
子どもに言われる筋合いなど無いと王族達は言いましたが、当時王族達が統治する国のほぼ全ての情勢は最悪なものでした。もちろんこの国も例外ではなかったです。そんな彼の言葉に背中を押された国民達は王族狩りを始めたのです」<br />
ソウの話は凄まじくオレには難しい。しかも王族狩りって、もしかしてサラもその被害にあってたんじゃ･･･。<br />
い、今はいっか、んな事。<br />
「国民達は王族の中でも王の首を狩ろうと考え行動を起こします。そんな時、レキがこの国へやって来たのです。この国にいるクライアントから受けた仕事を片付けるために。その話は後回しに。話を続けます。彼は仕事を片付け、この国から去る時に<br />
<br />
『醜い争いをするよりもテキトウに生きてる方が幸せだと思わない?』<br />
<br />
そう残しました」<br />
「それが?」<br />
足を止めて聞くと、ソウはまた続ける。<br />
「推古＝レキには人間が持ち得ない特殊な力があるそうです。その力を使い、王族狩りを人間達にさせた。という話がありますが、事実かどうかは知りません。私が彼について知っているのはそれぐらいです」<br />
オレの方へ向いたソウはまた微笑して、右手に握られた長い杖の先端をオレへ差し向けた。<br />
「何の真似だよ、ソウ」<br />
「貴女には少しの間眠って頂きたいのです」<br />
何でオレがそんな目に逢わねえといけないんだよ。キッと睨むオレに向けた杖の先端の位置を一ミリもずらさずソウは笑い、<br />
「私は、ラクチュラス国王家第一王女、雪中花＝ファリエルと申します。本日は貴女の命頂戴に預かりに参りました･･･♪」<br />
ファリエルという名前が本名だったソウが杖の先端から何かを発射させた。回避する方法が分からない!!!<br />
ただ立っているしか出来ない体を誰かが助けてくれた。<br />
いや、オレの前に立ってそれを防いでくれただけ･･･?<br />
「ティム。そこから退きなさい。貴女は私の味方でなかったのですか?　貴女の大切な人を殺した人間の仲間を助けるのですね。いいでしょう。貴女も殺して差し上げます」<br />
オレの前に立つティムが小刻みに揺れていて、ティムは小さな声で誰かの名前を口にした。するとヴァイオリンの音を奏でながらメツが現われ、目で合図した。<br />
逃げろ。と。<br />
オレはティムの手を引いて建物の外へと走る。途中、ティムが街へ逃げられる道を教えてくれて、そこから二人で逃げ出した。]]>
    </description>
    <category>Ep.24</category>
    <link>http://slaughter.blog.shinobi.jp/ep.24/%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%9B%9B%E8%A9%B1%E3%80%80%E7%89%B9%E6%AE%8A%E8%83%BD%E5%8A%9B</link>
    <pubDate>Sat, 19 May 2007 04:48:12 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">slaughter.blog.shinobi.jp://entry/86</guid>
  </item>
    <item>
    <title>第二十三話　思い出したくない過去②</title>
    <description>
    <![CDATA[地面へ向かって下降する身体の向きを空中で上手く変化させ、地面に足を置いた僕の前に一つの墓石がある。その墓石へ近づいて手を当てた。<br />
<br />
ドクンッ･････!<br />
<br />
心臓が高ぶる様な、とてつもなく嫌な感じがして後ろに振り向くと、そこにはティムが立っていた。拳銃を手に収め、その銃口を僕の額へ向けている。<br />
「姉様の復讐だぁぁぁぁあああああああああっ!!!!!!!」<br />
銃口から残りの銃弾全てが放たれ、それを全て軽い身のこなしで避けた僕は彼女の後ろへ回り込み、首の辺りを軽く手刀で叩き、気絶させた。地面にドサッと倒れた彼女を仰向けにさせ、右手から離れてしまった拳銃をもう一度握らせて、僕はその墓石の前から姿を消そうとして、足先を向けたその方向にソウが立っていた。普段とは別人の表情を浮かべる彼女は、黒のドレスを身に纏っている。<br />
「･･･レキ」<br />
懐かしい人に会ったかの様な仕草をするソウの隣をサッと通り過ぎる。<br />
「戻って下さいレキ!!」<br />
「･･･五月蝿いよソウ。ティムにしたら僕は単なる殺人者だ」<br />
「そうではありませんっ!!　貴方はソウをーーー」<br />
ソウは何かを言いかける。それを遮るようにして僕は声を被せる。<br />
「例え!　それがどういう理由であっても、他人から見ればそれは殺人だ。皆の事よろしくね」<br />
逃げるように去って行く僕を追いかけなかった。いや、追いかけられなかったんだろう。気絶していたティムが思ったより随分早く目を覚ましたから。<br />
思い出したくない過去。払拭したい過ちの過去。<br />
静かに重く息を吐いた僕は王家の壁を乗り越えて、街へ入った。<br />
<br />
<br />
ベランダからレキが落ちて、その後をオレはメツと追いかけたけど、そこにレキの姿は無かった。その代わりにドレスを着たソウがティムと一緒にいる。<br />
「何処へ行った」<br />
「皆さんの事をよろしく。と言い行かれました」<br />
「分かった。リョク、中へ戻れ」<br />
何なんだよ･････。オレがいないうちに何が起こってたんだよ。<br />
レキ、オレに言ったよな･･･一緒に話聞いててもいいって。<br />
なのにどうして、どうしてまたいなくなるんだよ!!!<br />
オレの中で眠るオレの力が漲ってくる。オレをこの場に残したレキが許せない。オレをこの場に残したレキが恨めしい。<br />
「あんま熱くなってんじゃねえぞ」<br />
メツの声にはっとしたオレは平然を装いながらソウへ近づいた。<br />
「どうされましたか?」<br />
「･･･」<br />
オレはすぅっと息を吸い、オレの母国特有の挨拶をソウの前で行う。<br />
「我が名は、アシュレ王国第二王女、神＝ソラ。推古＝レキと貴方がたの関係を知りたい所存であります」<br />
あんまりにも久しぶりに使う敬語のせいで、顔の筋肉が硬直する～･･･。<br />
でもタメ口で聞いたらきっと流されるんだ。それをオレは知ってるから、今だけはちゃんとしよう。フォローしてくれるレキもいないのだから。<br />
ソウは頭を垂れているオレに<br />
「頭を上げて下さい、ソラ」<br />
と言い、普通の姿勢になったオレを少し見上げて、<br />
「全てお話します」<br />
「姫様っ!!」<br />
「メツ、ティムを連れて行きなさい」<br />
「そいつを殺すなよ、ソウ」<br />
メツはそう言って、口の中にいれていた食べ物をガリッとかじり、それを吐き捨て軽々とティムを担いで建物の中へ去っていく。<br />
「私達と推古＝レキの関係を話す前に、推古＝レキがどういう存在か貴女は御存知ですか?」<br />
いつも見てたソウの表情からは想像もつかないほどの微笑にオレは圧倒されながら、首を左右に振る。するとソウは語り始めた。<br />
推古＝レキという人物について･･･。 ]]>
    </description>
    <category>Ep.23</category>
    <link>http://slaughter.blog.shinobi.jp/ep.23/%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E5%8D%81%E4%B8%89%E8%A9%B1%E3%80%80%E6%80%9D%E3%81%84%E5%87%BA%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%81%84%E9%81%8E%E5%8E%BB%E2%91%A1</link>
    <pubDate>Sat, 19 May 2007 04:44:22 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">slaughter.blog.shinobi.jp://entry/85</guid>
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    </channel>
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